東芝は2015年1月、ワイヤレス給電規格「Qi」のLP v1.1を使用した10W級ワイヤレス給電システム用の受電/送電用ICを開発したと発表した。
東芝は2015年1月6日、ワイヤレス給電規格「Qi」のLP v1.1を使用した10W級ワイヤレス給電用システムとして、受電用IC「TC7765WBG」と送電用IC「TB6865AFG Enhanced Version」を開発したと発表した。
2015年1月下旬からサンプル出荷を開始し、同年6月から量産を開始する。サンプル価格はTC7765WBGが320円、TB6865AFG Enhanced Versionが500円となっている。
TC7765WBGは、出力電力を従来品の5V・1A(5W)から7〜12V・1A(最大12W)と出力電圧を高めることで拡張。同時に送電側のTB6865AFG Enhanced Versionも従来品から周辺回路構成を見直し、ソフトウェアを新規に開発することで10W級システムを実現した。
TC7765WBGは給電制御のプロトコル認証処理をロジック化した回路を内蔵し、ソフトウェアを開発する必要がない。TB6865AFG Enhanced Versionは、ARM Cortex-M3を内蔵し、給電動作に必要なソフトウェアをサポート。これら2つのICを使うことで「10W級システムに容易に組み込むことができ、10W級ワイヤレス給電用システムの開発時間短縮に貢献する」(東芝)。
TB6865AFG Enhanced Versionの入力電圧は19Vで、対応コイルはQi規格 LP A10 typeとなっている。なお、TB6865AFG Enhanced Version搭載送電システムと、TC7765WBG以外のQi規格LP v1.1準拠受電用ICを使用した端末を組み合わせた場合にも、同規格に準拠したLPモードでの給電が行える。
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