Yoon氏は、基調講演の終盤で、IoTのシナリオを明らかにした。まず最初に、Samsungが開発したとみられる家庭用「コネクテッドワインセラー」を例として取り上げながら、短いプレゼンを披露した。
プレゼンで用いられたビデオ映像によると、このIoT対応ワインセラーは、ユーザーの消費パターンを認識して、お勧めのワインを紹介することにより、ワイン発注の手順を大幅に簡素化することができるという。また、レストラン経営者にとっては、ワインセラーを介した共有データを利用することで、独自のマーケティングを展開したり、在庫を効率的に管理することも可能になる。
またワイン醸造所では、レストランのワイン売り上げデータを利用することによって、生産性を改善したり、ブドウの品種を厳選できるようになる他、消費者のニーズに合わせた新製品の開発も可能になるだろう。
さらに、プレゼンのビデオ映像では、小型の脳波センサーを搭載した“ブレインハット(brain hat)”やメガネについても紹介されている。ユーザーの脳の健康状態を監視し、生命にかかわる疾患を検出することができるというもの。また、コネクテッドカーのシナリオも明かされ、ユーザーがもっと簡単に自動車を運転できるようになるだけでなく、ドライバー向けに関連サービスを提供すべく、幅広いビジネス展開のチャンスが広がっていく見込みだとされている。
Yoon氏は、インタラクティブなワインセラーや、脳の精密検査が可能な中折れ帽などを武器に、再び壇上に登場し、「われわれは現在、無限の可能性を手にしている。こうした可能性を実行に移せるかどうかは、われわれ次第だ」と基調講演を締めくくった。同氏は、Samsungと協業すべきであると明示したのだ。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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