「2015 International CES」に先立って開催されたプレスカンファレンスの基調講演で、Samsung Electronics(サムスン電子)のCEOを務めるBoo-Keun Yoon氏は、IoT(モノのインターネット)市場の成長のためには業界間の協業が不可欠であり、同社が言うところの“オープンエコシステム”が必要だと強く主張した。
Samsung ElectronicsのCEO(最高経営責任者)を務めるBoo-Keun Yoon氏は、米国ネバダ州ラスベガスで開催中の「2015 International CES」(2015年1月6〜9日)に先立って開催されたプレスカンファレンス(2015年1月5日)の基調講演で、「IoT(モノのインターネット)の無限の可能性を解き放とう」と熱く語った。その一方で、Samsungのリーダーシップの下、業界が歩調を合わせることを提案した。
Yoon氏はまた、IoTに向けた「オープンエコシステム」の重要性を強調し、「業界間の連携がその鍵となる」と語った。
同氏は聴講者に対して、現在の世界家電市場におけるSamsungの圧倒的な優位をさりげなく誇示しながら、未来のIoT市場に対する同社の使命について説明した。
Yoon氏によると、Samsungが2014年に販売した製品は6億6500万点に上るという。同氏は「1秒に20個の製品を販売したことになる」と言った後1秒間沈黙し、「この瞬間に、20個の製品が売れた」と言った。
Yoon氏のジョークは明らかに、Samsungが家電市場の巨人であることを誇示している。
Samsungは、量産力やマーケティング力、技術力を武器に、IoT市場を同社が優位になるように率いていく可能性が高い。Yoon氏は、「2017年までにSamsungの製品の90%をIoT対応にする計画だ」と述べている。さらに、その5年後には100%のIoT対応を目指すとしている。
Yoon氏は、IoTの現状課題として、「オープンエコシステム」と「業界間の連携」の必要性を説いた。基調講演の中で同氏は、「当社のIoT向けチップと機器をオープン化する予定だ」と述べた。さらに、聴講者からの拍手喝さいを浴びながら、「Samsungもオープン化を目指す」と公約した。
だが、考えてみてほしい。
SamsungはIoT製品を大量生産して、IoT市場を席巻したいと考えているのではないだろうか。Yoon氏は、IoTのオープンエコシステムを実現する最善の方法はSamsungのリーダーシップに従うことだと主張しているように思える。
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