スマートフォンの成功で上昇気流に乗っているXiaomi(シャオミ)。次はモノのインターネット(IoT)分野を狙うとの見方が濃厚だ。
Xiaomiはもともとハードウェアメーカーだが、“モバイルインターネット企業”とうたい、これまでに何の問題もなく成功を収めてきたことから、投資コミュニティを引き付ける存在となっている。
Xiaomi(シャオミ)は2014年12月29日、最新の投資ラウンドにおいて11億米ドルを獲得したことを明らかにした。Reuters(ロイター通信)は、「これにより、Xiaomiの企業価値は450億米ドルに達し、同社は世界最高の評価額を誇る技術メーカーとして、確固たる地位を獲得した」と報じている。
投資企業は、新世代の民生機器メーカーを代表する存在として、Xiaomiに強い関心を持っている。Xiaomiは、もともとハードウェアメーカーだが、“モバイルインターネット企業”をうたい、これまで何の問題もなく成功を収めてきたことから、投資コミュニティを引き付けている。今や、ソニーやシャープ、パナソニックだけでなく、Samsung Electronicsとさえも一線を画す存在となった。
Xiaomiは、工場や物理的な小売店の他、在庫も一切持たない。サードパーティ企業による販売網もなく、製品の販売はオンラインでのみ行っている。
さらに重要なのが、Xiaomiが、オンライン販売によって柔軟性とスピードを得ているということだ。同社は通常、携帯電話機を少量生産して、インターネット上で販売している。その少量生産の合間に新機種を完成させ、コストを抑えている。時には、品質向上のために(新製品発表後に)サプライヤを切り替えることもある。
Xiaomiのオンライン戦略は、中国の消費者に対して実にうまく機能しているようだ。消費者は、インターネット上で同社の新型スマートフォンがわずか数分間で売り切れになってしまうのを見ると、次の新型モデルが欲しくてたまらなくなるのである。
同社は、こうして大衆市場心理を巧みに操ることにより、ブランド力を築き上げてきた。しかし、同社が現在の地位を獲得できたのは、マーケティングの成功によるものだけではない。
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