こうしたさまざまな給電、データ通信を行うUSB 3.1、USB Type-Cでは、接続機器同士は、接続の度に、「どの機能に対応し、どのような通信、給電を行うか」を決める通信/制御が必要になる。そうした通信/制御を担うのがポートコントローラーだ。USB 3.0までもポートコントローラー機能は存在したが、実際にデータ通信制御などを行うUSBコントローラーに混載されるケースが多かった。しかし、USB 3.1では、USB以外のデータ通信を行うケースや、USBコントローラーとは別に大電力を扱うパワーデバイスが必要になることから当面、ポートコントローラーは、USBコントローラーやPCのチップセットとは別デバイスとして実装される見込みだ。またUSB Type-Cケーブルにも、ケーブル自身が対応する伝送可能電流値などを接続機器に知らせるためのポートコントローラーを1個ないし2個搭載する必要がある。
今回、サイプレスが製品化したUSB Type-C ポートコントローラー CCG1は、機器、ケーブルの双方に搭載可能なポートコントローラーで、USB Power Delivery仕様やUSB以外のデータ通信にも対応するフル機能対応型のポートコントローラーだ。最大2個のType-Cポート トランシーバを搭載している。CCG1は、サイプレス独自のプログラマブルSoCでARM Cortex-M0コアを搭載する「PSoC 4」をベースに開発され、「まだ確定していないUSB Type-C、USB Power Deliveryのコンプライアンステスト規格に変更があった場合でも、ファームウェアを書き換えて対応できるフレキシビリティを備えている」(サイプレス)とする。
CCG1は、用途に応じた4種類のパッケージがあり、「2015年内に搭載が始まる見込み」(サイプレス)とする主にノートPC向けに40ピンQFN品(実装面積36mm2)を用意。その他、実装面積に制約の多いケーブルやモバイル機器向けに35ボールWLCSP品(同6.7mm2)、電源アダプターなど実装面積に余裕のある用途向けに16ピンSOIC品と28ピンSSOP品(同75mm2)をそろえている。
USB Type-C ポートコントローラー「CCG1」を使ったDisplay PortとUSBの通信デモ。Type-Cケーブル(デモではボード形状)1本で、HD画質のDisplayPort通信と、USB 2.0相当のUSB通信(デモでは、モニター側に接続されたUSBメモリをノートPC側で読み取り)を同時に行った。なおデモでは、モニターへの給電は別途行ったが、Type-Cケーブルを通じた給電でモニターを駆動することも可能。なお、「CCG1」は、ノートPC側ボードとモニター側ボードに各1個、Type-Cケーブルに2個の合計4個が使用されている (クリックで拡大)
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