テクトロニクスは、独自の非同期タイムインターリーブ(ATI:Asynchronous Time Interleaving)技術を用いた70GHz帯域のリアルタイムオシロスコープ「DPO70000SX型」を発表した。周波数インターリーブ技術を用いた従来製品に比べて、ノイズを削減しており高品質の信号測定が可能となる。
テクトロニクスは2015年3月26日、独自の非同期タイムインターリーブ(ATI:Asynchronous Time Interleaving)技術を用いた70GHz帯域のリアルタイムオシロスコープ「DPO70000SX型」を発表した。周波数インターリーブ技術を用いた従来製品に比べて、ノイズを削減しており高品質の信号測定が可能となる。長距離ネットワークの光変調解析や次世代無線通信、高速データ通信、基礎物理研究などの用途に向ける。
DPO70000SX型として今回発表したのは、ATI技術を搭載した製品で、最大70GHz帯域、サンプリングレート200Gサンプル/秒で1チャネル機、または33GHz帯域、100Gサンプル/秒で2チャネル機として使用できる「DPO77002SX」と、これを2台組み合わせた製品「DPS77004SX」がある。
ATI技術を使用していない製品も用意した。最大33GHz帯域、100Gサンプル/秒で2チャネル機、または23GHz帯域、50Gサンプル/秒で4チャネル機として利用可能な「DPO73304SX」と、これを2台組み合わせた「DPS73308SX」の4タイプがある。
これまで周波数帯域が10GHzを超えるようなオシロスコープでは、超広帯域を実現するために周波数インターリーブ技術が用いられている。入力信号を高い周波数バンドと低い周波数バンドに分けて別々にデジタイズし、最終的にデジタル処理で2つの周波数バンドを再結合して、完全な波形とする技術である。テクトロニクスのパフォーマンス・オシロスコープ製品ラインで、シニアプロダクトマーケティングエンジニアを務めるMichel Martin氏は、「この手法だと、周波数バンドのつなぎ目となる周辺ではギャップが生じ、測定値が実際の数値より20%程度小さくなる。また、ノイズも32%増加することが分かった」と話す。
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