西バージニア出身のKatherine Johnson。読書と数学が好きだったJohnsonは、10歳で高校に入学、18歳で大学を卒業した才女だった。教師として働き始めるも、「自分の能力を生かしきれていない」と感じた彼女は、数学の学位を生かしてNational Advisory Committee for Aeronautics(NACA)に転職する。NACAは、NASA(米国航空宇宙局)の前身だ。
NASAに採用されたJohnsonは、男性だらけの飛行調査部門に配属された。
後にNASAの宇宙機制御部門に移ったJohnsonは、3つの非常に重要なミッションに携わった。
膨大な計算を行っていたJohnsonは、自身を“スカートをはいたコンピュータ”のようだと表現していたそうだ。
人類初の月面着陸に成功したアポロ11号計画。「人類にとって大きな飛躍」となったこの偉業は、Margaret Hamiltonがいなければ達成できなかっただろう。
NASAは、月面着陸船の飛行制御プログラムの作成をマサチューセッツ工科大学(MIT)に依頼。それを担当したのがHamiltonだった。この時、彼女が作成したソフトウェアプログラムが、現代のソフトウェア設計の基礎となる。
Hamiltonが作成したソフトを搭載したアポロ11号の着陸船内では、月面着陸のわずか3分前にアラームが鳴り響いた。着陸には必ずしも必要ではなかったランデブーレーダーシステムのアップデートにより、コンピュータが負荷がかかったのだ。だが、Hamiltonのソフトは非同期処理を使って作成されていたため、優先度の高い処理が問題なく実行され、コンピュータは動作を続けられた。これによって、着陸船は、宇宙飛行士たちを無事に月面へと導いたのである。
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