一方でYole Développementは、MEMSメーカーの成長に寄与したのは加速度センサー、角速度センサー、磁気センサーだけでなく、圧力センサーが、特に車載とコンシューマの2つの市場で大きく貢献したとしている。例えば、Freescale Semiconductorの圧力センサーの売上高は、自動車のタイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)事業に背中を押される形で、前年比33%の増加となった。
Yole DéveloppementのMounier氏は、今後のMEMS業界は、「拡張期」と「均衡/統合期」を迎えるという。拡張期では、主要メーカーが拡大し、ほんの数社だけが他を圧倒するようになる。次の「均衡/統合期」では、トップ3社がシェアの90%を占めるようになる。
「均衡/統合期」に入ると、MEMS市場はかなり成熟し、新たな技術はほとんどなくなるのだろうか。Mounier氏は、「それはない。現在の業界の展望を変える技術革新は、起こり得る」と答えている。例えば、業界が300mmウエハーに移行する時などに急激な技術の変化が起こる可能性がある。同氏は、NEMS(Nano Electro Mechanical Systems)技術も新境地を開く可能性があると付け加えた。
MEMS市場の成長要因には、NEMSの他にも、センサーフュージョン、300mmウエハーでの製造、TSV(シリコン貫通電極)、WLCSP(Wafer Level Chip Size Package)、新たな検出原理などがあるという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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