ミツミ電機は2014年10月7〜11日の会期で開催されている「CEATEC JAPAN2014で、レーザー網膜走査型ディスプレイのウェアラブル情報端末に使用されているMEMSミラーを展示した。
ミツミ電機は「CEATEC JAPAN 2014」(2014年10月7〜11日、幕張メッセ)で、レーザー網膜走査型ディスプレイのウェアラブル情報端末「レーザアイウェア」(QDレーザなどが開発)のプロトタイプに使用されているMEMSミラーを展示した。
レーザー網膜走査型ディスプレイは、液晶ディスプレイなどの技術に比べ、高輝度、高色再現性、広視野角で網膜上に画像を自在なサイズ、位置に描画できるという特徴がある。完全なシースルー画像が得られる他、瞳孔近傍に光束を収めた後、網膜に照射する「マクスウェル視光学系」の応用により、装着者の視力を選ばないフォーカスフリーという点も大きな特徴だ。
ミツミ電機がCEATEC 2014ブースで展示したレーザーアイウェアは、このレーザー網膜走査型ディスプレイを採用したスマートグラス。量子ドットレーザー技術を核とした半導体レーザーを持つベンチャー企業QDレーザなどが開発したものだ。同スマートグラスのキーパーツの1つといえるレーザーを走査するためのデバイスにミツミ電機のMEMSミラーが使われている。
MEMSミラーは、レーザーアイウェアの弦部分に搭載され、RGB(赤・緑・青)のレーザー光を、超小型ミラーの傾きを変えて反射、走査する。ミラーは圧電素子により駆動させている。このMEMSミラーはもともと、小型のレーザープロジェクターなどに向けて開発されたものであり、720p相当の解像度の映像を60Hzのフレームレートで投射できる。
またミツミ電機では、映像処理システムでも協力。映像処理システムは、レーザー光源や電源とともに、スマートグラスに有線接続されたボックス内に格納されているが、「プロジェクタ用のハードウェアなどを流用しているため外付けとなっているが、技術的には小型化し一体化させることは可能。バッテリー駆動にも対応できる」(説明員)とする。
なお、QDレーザなどでは、2015年中に有線通信タイプの作業支援用アイウェアを、2017年中に無線通信対応で一般消費者向けアイウェアをそれぞれ製品化する方針としている。(関連記事:「眼鏡と変わりない装着感」の網膜走査型スマートメガネ)。
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