テクノマセマティカルは、「第18回 組込みシステム開発技術展」(ESEC2015/2015年5月13〜15日、東京ビッグサイト)で、独自アルゴリズム「DMNA(Digital Media New Algorithm)」を応用したエンコーダ/デコーダを用いて、4K/8Kの高精細映像をリアルタイムに表示するデモ展示を行った。
テクノマセマティカルは、2015年5月13〜15日に東京ビッグサイトで開催された「第18回 組込みシステム開発技術展(ESEC2015)」において、独自のアルゴリズム「DMNA(Digital Media New Algorithm)」を応用したエンコーダ/デコーダを用いて、4K/8Kの高精細映像をリアルタイムに表示するデモなどを行った。
同社は、「最新のコーデックとIP伝送装置」をテーマに、DMNAを用いて開発した映像・音声データの圧縮伸張技術や、各種IP伝送装置を紹介した。その1つが4K/8Kに対応するH.265/HEVC方式準拠のエンコード/デコードシステムである。Intel系プロセッサで動作させるソフトウェア版と、小型/低消費電力を可能とするハードウェア版の製品を用意している。
H.265/HEVCは、ISO/IECで標準化された最新の動画圧縮伸張規格である。家庭用TVで普及しているフルHDの解像度に比べて、4Kは4倍(3840×2160画素)、8Kは16倍(7680×4320画素)の高精細画像となる。このため、現在の主流となっているMPEG2やH.264方式に比べて、高い圧縮率を可能とするH.265/HEVCは、高精細映像配信や帯域に制限があるモバイル端末向け映像サービスなどへの応用が期待されている。
展示ブースでは、H.265/HEVC 8K(Main10)対応のデコーダを用いた表示デモを行い、開発ロードマップも示した。先行して開発しているソフトウェア版では、H.265/HEVC 4K/60p対応のコーデック製品も2015年内には開発に着手する予定である。一方、ハードウェア版は、H.265/HEVC 4K/60p対応のエンコーダ製品をすでに開発積みで、試作したIPコアを評価中だという。さらに、H.265/HEVC 8K60p対応のエンコーダもこれから開発していく計画だ。「H.265/HEVC 4K/60p対応のエンコーダIPコアを4個組み合わせることで、8K画像にも対応することができる」(説明員)と話す。
この他、4K/60fpsの映像を最大100msという低遅延で送信することができる伝送装置「TM7009」や、オープン規格の可逆圧縮オーディオコーデック「FLAC」をDMNAで実現するソフトウェア「FLACエンコーダ/デコーダ」、DMNAを用いた固定長圧縮技術などを紹介した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.