今回は、ナノインプリント・リソグラフィを構成する要素技術の開発状況をお伝えする。ここ1年でとりわけ大きく進歩しているのが、重ね合わせ誤差と生産性(スループット)だ。重ね合わせ誤差は半分〜3分の1に低減し、スループットは2倍〜3倍に向上しているという。
前回より、キヤノンがナノインプリント・リソグラフィ技術の開発状況を講演した内容をご紹介している。講演タイトルは「Nanoimprint System Development and Status for High Volume Semiconductor Manufacturing」、講演者はキヤノンの米国子会社Canon Nanotechnologiesでマーケティングおよび事業開発担当のバイスプレジデントを務めるDouglas J. Resnick氏である。
前回では、ナノインプリント・リソグラフィ技術の概要と特長、課題を解説した。またテンプレート開発の現状に関する講演の概要をご説明した。
Resnick氏はテンプレート開発の現状を説明した後、ナノインプリント技術でどのくらい微細なパターンを解像できているかを具体的に示した。実際のパターンを電子顕微鏡で観察した写真をスライドで見せていた。
1つは直線群のパターン(数多くの直線を同じ線幅と間隔で平行に配置したパターン)である。28nm幅のパターン、16nm幅のパターン、11nm幅のパターンを解像して見せた。もう1つは孔(ホール)のアレイまたは円筒(ピラー)のアレイである。直径25nmのホールのアレイと直径14nmのホールのアレイ、直径11nmのピラーのアレイを解像した結果である。きわめて微細なパターンをかなり明瞭に解像できていることが分かる。
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