図研は、カタログ情報という客観的データからEOL(End Of Life/生産中止)情報を割り出し、代替品調査、推奨部品選定支援までEOL対策を総合的にサポートするサービスの本格提供をこのほど開始した。PDM(製品データマネジメント)システムとも連携し、EOLリスクを設計段階から考慮した対策が行える。
図研は、カタログ情報という客観的データからEOL(End Of Life/生産中止)情報を割り出し、代替品調査、推奨部品選定支援までEOL対策を総合的にサポートするサービスの本格提供をこのほど開始した。EOL情報や推奨部品情報は、図研が提供するPDM(製品データマネジメント)システムとも連携し、電子設計エンジニアも常時、参照できEOL対策を各設計工程でも徹底できるなど特長も持つ。
昨今、半導体/電子部品のEOLが急増している。2008年のリーマンショック以降、半導体/電子部品メーカーは、需要低迷下での採算確保のため、将来的な需要見込みが小さい製品のEOLを積極化。特に国内では、多くの工場が被災した2011年の東日本大震災の教訓から、製品の安定供給という観点で生産品種数を絞る動きが活発化。そのため、昨今のEOL実施規模は、震災前に比べて5倍以上に拡大したとの調査結果もあるほどだ。
EOLが急増する一方で、半導体/電子部品を使用する電子機器設計/製造現場でのEOL対策は遅れている。特に、少量多品種生産を行う産業機器など非民生機器領域での対応の遅れが目立つ。
非民生機器分野は、民生機器分野に比べて1つの機器を生産する期間が長い。5〜10年間同一製品の生産を継続することが一般的で、長ければ20年以上継続するようなケースもある。そうした長い生産期間の中で、搭載部品にEOLが生じた場合、代替部品の調達を迫られる他、場合によれば、回路の再設計を強いられる。加えて、消防関連機器や医療関連機器など、部品単位での認証取得が義務付けられている領域では、EOLに伴う部品変更が生じれば、認証の再取得が必要になる。こうした点から非民生機器分野はEOLに伴う、コスト負担が極めて大きい。にもかかわらず、非民生機器分野でのEOL対策は遅れており、経営を圧迫しかねない問題となり、表面化しつつある。
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