シャープが新開発ディスプレイ「曲面型FFD(フリーフォームディスプレイ)」をCEATECで初公開。曲面デザインが多い自動車のダッシュボードなどへの搭載を可能にした。
「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7〜10日、幕張メッセ)のシャープブースでは、本日2015年10月6日に発表された新開発ディスプレイ「曲面型FFD(フリーフォームディスプレイ)」が参考出展されている。同日に催されたメディアコンベンション(プレス向け出展紹介イベント)でお披露目された。
同社は2014年6月に、表示領域に合わせた自由な形状に設計可能な「フリーフォームディスプレイ(以下、FFD)」を開発。同年10月のCEATECで一般向けに披露した。FFDはIGZO技術の応用と独自の回路設計手法の確立によって実現している。
従来のディスプレイは、表示領域の外周部に「ゲートドライバ」と呼ばれる駆動用回路を配置する一定の額縁幅が必要であったため、四角形状が一般的だった。これに対し、FFDは、ゲートドライバを表示領域内にある画素内に分散して配置。これにより、額縁を極めて細くでき、表示領域に合わせた自由な形状のディスプレイの設計を可能としている。
今回発表された曲面型FFDは、12.3型FFDの中央部が凸型に湾曲しているもの。曲面デザインが多い自動車のダッシュボードなどへの搭載を可能にした。同社ではFFD発表時からガラス基板だけでなくフィルム基板などへの組み合わせも可能としていたが、今回の曲面型FFDは従来同様にガラス基板を採用している。
「ディスプレイ下部が異形(丸型)になっているのがFFDの特徴だが、この画面サイズ(12.3型)のガラス基板でR400の曲面を出せたのが画期的。フィルム基板を使えばさらにRのきつい曲面も可能だろう」(ブース担当者)。
CEATECではFFDの応用例として、ディスプレイ周囲に操作ダイヤルを装備した「ダイヤルUI搭載円形FFD」やバックミラー型でタッチ操作機能を備えた「エッジUI搭載ミラー型FFD」などが参考出展されている。
FFDは2017年での量産開始をアナウンスしているが「自動車関連の引き合いが多いのでニーズ次第では2016年の量産化も検討している」(ブース担当者)とのこと。一方、今回発表された曲面型FFDに関しては2018年ごろの量産開始を見込んでいるという。
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