今回驚いたのは、IoT向けソリューションに「トイレの遠隔監視」が展示されていたことだ。トイレの監視と聞くと抵抗感があるかもしれないが、決して危ないものではない。デモでは、トイレの個室の内側にセンサーネットワークモジュールを搭載。ドアの開け閉めの光の当たり具合で、どの個室が使用中かどうか、どの個室がよく使われているかといったデータが分かる。ちなみに、当たり前だがカメラは付いていないので安全だ。
個室の利用状況から、トイレの清掃をより効率的に行うことや、長い時間使用中となっている個室に安全の確認を行うなどの用途があるという。一番気になるのは、トイレの個室管理に対するニーズが果たしてあるのかという点だ。アルプス電気は、「ゼネコンや不動産業界にニーズが多くある。また、2020年の東京五輪に向けてもトイレの管理は、需要が高くなっている」と語る。既にユニアデックスのモニタリングシステムと協業して実証実験を進め、上記で挙げた以外にもさまざまな用途を検討していくとしている。
アルプス電気は2015年10月7日、同社のIoT Smart ModuleとIBMのクラウド「IBM Bluemix」の連携を発表。上記で挙げた事例のようにIoT Smart Moduleを通して、さまざまな事業者と組むことで、IoTビジネスの立ち上げ支援を行っていくとしている。
なお、アルプス電気のセンサーネットワークモジュールは、CEATEC JAPAN 2015の「グリーン・イノベーション部門」で、準グランプリを獲得している。
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