最後に紹介するのは、顔認証ソリューション「顔跡/KAOATO」とカラーバーコード「カメレオンコード」を用いた顔認証システムである。同システムは、防犯システムや入退管理システムにおいて活用される。顔跡/KAOATOは、あらかじめデータベースに登録した人物の画像と、カメラがとらえた人物の顔画像を高速かつ高精度に自動照合する。
カメラがとらえた作業者が、予定にない行動や異常行動をするとアラートを発する。何時に、誰が、どこにいたのかを記録して蓄積し、長時間のデータをピンポイントで確認することができるという。認識された画像は暗号化して保存し、一定期間時間経過すると自動的に消去される仕組みだ。
認証には、同社の顔認証エンジン「NeoFace」を採用。NeoFaceは、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施したバイオメトリクス技術ベンチマークテストの「静止顔画像認証部門」で3年連続で1位を獲得しており、高い認証精度を持つとしている。顔跡/KAOATOは既に、工場や商業施設などで導入されているという。
顔跡/KAOATOの顔認証とともに、ID認証として用いられるのが「カメレオンコード」である。カメレオンコードとは、非接触型のカラーバーコードで、離れた場所でもかざすだけで複数の認識が可能になる。コード1個を0.3秒以内で認識できるのが特長だ。また、約100個のコードを同時に読み取ることができるという。
読み取り機は市販されているPCとWebカメラで構成でき、コードの出力も市販のプリンタで行うことができるため、専用機器が不要である。これにより、他のICタグと比較して低コストで導入できるとしている。
バーコードは偽造されやすいデメリットがあるが、同社は「顔認証である顔跡/KAOATOとカメレオンコードのID認証を組み合わせることで、強固なセキュリティを実現できる。維持コストも安く、QRコードよりも読み取り精度が高いため、他のICタグと比較しても優位性はあると考えている」とした。
同社は今回紹介したソリューション以外にも、オンデマンド型無線ネットワークや小惑星探査機「はやぶさ2」に採用された画像圧縮エンジン「StarPixelシリーズ」、EMI抑制設計支援ツール「DEMITASNX」など多数の展示が行われていた。
なお、物体指紋認証技術は、「Embedded Technologyアワード優秀賞」を受賞した。
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