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ウェアラブル端末のパネル表示量を拡張するMCU従来比33%増

ラピスセミコンダクタは、2015年11月18〜20日に開催された「組込み総合技術展 Embedded Technology 2015(ET2015)」で、2015年11月18日に発表したマイコン製品の展示を行った。

» 2015年11月26日 15時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 ラピスセミコンダクタは、2015年11月18〜20日に開催された「組込み総合技術展 Embedded Technology 2015(ET2015)」で、同社の製品を紹介する展示を行った。本記事では、マイコン「ML620Q416/418」、「ML620130ファミリ」を紹介する。

ウェアラブル端末のパネル表示量を33%拡張

 最初に紹介するのは、同社が2015年11月18日に発表したローパワーマイコン「ML620Q416/418」である。ML620Q416/418はリアルタイムクロック機能を備え、同社の従来品に比べて33%増となる2048ドットマトリックスのLCD表示ができるLCDドライバとLCD駆動用の電源回路を搭載している。これにより、ウェアラブル端末において、多くのグラフやアイコンマークを表示することが可能になる。

 用途としては、複数のセンサーや表示機能を備えた腕時計であるセンサーウォッチや、ウェアラブル端末を想定しているという。同社は、「今まで当社の製品は、腕時計を開発するメーカーを顧客としてきた。ML620Q416/418では、ウェアラブル端末を開発する企業やデザインハウスにも展開することで、顧客の層を広げていきたい」と語った。

 ML620Q416/418は既に、サンプル出荷を開始。2016年1月から、月産10万個で量産出荷を開始する予定である。また、センサーウォッチの開発工数を削減するリファレンスキットとソフトウェア開発環境を、2016年2月より提供を開始するとしている。

ML620Q416/418を搭載した時計。LCDの表示量が増えたことで、多くのアイコンマークが表示されている (クリックで拡大)

ニッケル水素充電池に最適化

ラピスセミコンダクタが2015年11月18日に発表した「ML620130ファミリ」のイメージ (クリックで拡大) 出典:ラピスセミコンダクタ

 次に紹介するのは、ML620Q416/418と同様に2015年11月18日に発表された16ビットマイコン「ML620130ファミリ」である。ML620130ファミリは、国際電気標準会議(IEC)の規格「IEC61000-4-2」で測定限界の±30kVを達成した。ノイズや高温に強いとしている。

 ML620130ファミリ最大の特長は、最低動作電圧を従来の1.8Vから1.6Vまで低電圧化したことである。ニッケル水素充電池の電圧倍数(0.8V×2=1.6V)に最適化され、電池を用いた小型家電や産業機器の電池をギリギリまで使用できるという。また、オンチップオシレータ(RC発振)を内蔵。−20℃〜+85℃で±1%、−40℃〜+105℃で±1.5%の精度を実現したという。外付け振動子を不要にし、周辺部品コストを低減できるとした。

 ML620130ファミリは既に、サンプル出荷を開始。2015年12月から、月産10万個で量産出荷を開始する予定とし、産業機器全般に向けて展開していくとしている。

ET 2015で展示されていたML620Q136を使用したデモ (クリックで拡大)

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