アナログ・デバイセズ(ADI)は、初出展した「MWE 2015」で同社の高周波用IC(RFIC)の製品群を紹介した。ADIが2014年に買収したHittite Microwaveの資産が大いに生きている。
アナログ・デバイセズ(以下、ADI)は「MWE(Microwave Workshops and Exhibition) 2015」(2015年11月25〜27日)に初めて出展し、高周波用IC(RFIC)の製品群を一挙に展示した。同社は、2014年6月に高周波向けデバイスに強いHittite Microwave(以下、Hittite)を買収している。これにより、高周波向けの製品ポートフォリオが強化された。ADIの説明担当者は「もともとADIには、低周波から十数ギガヘルツまでのRFICがそろっていた。高周波に強いHittiteを買収したことで、DCから100GHz超まで対応できる製品がラインアップされた」と強調した。MWE 2015では、こうした製品群を生かし、デバイス単体ではなく、すぐに利用できる”RFシステム”として提案することに注力したという。
まずは、ADIとオーストリアINRASが共同開発した、24GHz帯のFM-CW(Frequency Modulated-Continuous Wave)レーダー向けトランシーバチップセットである。RFフロントエンドモジュールやFPGA、アンテナモジュールなどを搭載したプラットフォームとして展示した。ADIの2チャンネルトランシーバIC「ADF5901」や、4チャンネルのレシーバIC「ADF5904」、周波数シンセサイザIC「ADF4159」を採用することで、小型化を実現したという。
SDR(ソフトウェア無線)向けには、70MHz〜6GHzに対応したRFトランシーバIC「AD9361」とFPGAを組み合わせた、SDRシステムモジュールを提案した。FPGAには、ARMのプロセッサコアをハードマクロとして集積した、Xilinxの「Zynq-7000」を用いている。MathWorksの「MATLAB/Simulink」と連携できることも特徴だ。MATLAB/Simulinkで書いたプログラムをFPGAに実装して、容易にプロトタイプを作成することができる。
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