Microchip TechnologyがAtmelに対し、38億米ドルでカウンターオファー(対抗買収)を持ちかけたという。Atmelについては、英Dialog Semiconductorが2015年9月に、Atmelを46億米ドルで買収すると発表している。
Reuter(ロイター通信)によると、Microchip Technology(以下、Microchip)が、Atmelに対し、38億米ドルで買収提案を行ったという。ロイター通信は、情報源は匿名としている。
Atmelは2015年9月に、英Dialog Semiconductor(以下、Dialog)がAtmelを46億米ドルで買収することで合意している*)。だがAtmelは、カウンターオファー(対抗買収)を待つとも表明していた。
*)関連記事:DialogがAtmelを46億米ドルで買収
Dialogは、46億米ドル相当の現金と株式でAtmelを買収すると発表した。Atmelの株式に対し、1株当たり4.65米ドルの現金と、Dialogの米国預託株式(ADR:American Depositary Share)0.112株分を割り当てたものになるという。だがDialogの株価の下降に伴い、買収提案額も下がっていった。
Microchipは、チェアマン兼CEOであるSteve Sanghi氏の下、小規模あるいは中規模の買収を繰り返して成長してきた企業だ。Atmelは、独自の「AVR」コアを使った8ビットマイコンや、ARMコアを使った32ビットマイコンなどの製品群を持っているが、基本的にMicrochipの製品ポートフォリオと似ている。そのため、製品ラインアップの重複はあるものの、Microchipは、とりわけ車載向けのマイコンを強化できるとしている。これは、NXP SemiconductorsとFreescale Semiconductorの合併が完了した今、Microchipにとっては必要な戦略かもしれない。
Atmelは、今回受けた対抗買収提案についても検討していくとしている。Atmelの株主は、Dialogによる買収案件について、2016年3月に投票を行う予定だ。
MicrochipはOn Semiconductorとともに、2008年10月にもAtmelに対して、23億米ドルの買収提案を行っている。その際は、Atmel側が拒否し、買収提案は取り下げられた。
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