今回はセッション19〜21までを紹介する。セッション20では、パナソニックが発表する、300GHz帯で32値のQAM信号を出力する送信器チップに注目したい。チャンネル当たりのデータ送信速度は17.5Gビット/秒で、6チャンネルの5GHz帯域出力を備えている。
前回に続き、ISSCC 2016の技術講演プレビューをお届けする。技術講演の最終日である、2016年2月3日(水曜日)午前に発表予定の講演論文のハイライトである。
この時間帯は、セッション17からセッション22までの6本のセッションが予定されている。セッション17とセッション18は同じ会議室を使用したハーフセッションで、午前の前半がセッション17、午前の後半がセッション18というスケジュールである。残りのセッション19〜セッション22は、別々の会議室で同時に進行する。
セッション19のメインテーマは「デジタル回路」、サブテーマは「デジタルPLL」である。このセッションでは、デジタルPLLに関する2件の講演が興味深い。
Broadcomは、モバイルSoC(System on a Chip)の動的周波数スケーリングや動的コアカウント・スケーリングなどに向けた高速デジタルPLLを提案する(講演番号19.1)。0.5GHzから9.5GHzの範囲で、ロック時間は1.2マイクロ秒と短い。ジッタは±1.25%UIにとどまる。製造技術は16nmのCMOS。
東芝は、ドライバレスのオールデジタルPLLに向けた要素技術である、高性能TDC(Time to Digital Converter)を発表する(講演番号19.7)。シングルスロープ型A-D変換回路を採用し、1.6ピコ秒(0.27LSB)の積分非直線性誤差(INL)と、8.9ピコ秒(5.5ビット)の有効ビット数(ENOB)を得た。消費電力は360μWと低い。製造技術は65nmのCMOS。
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