セッション20のメインテーマは「RF」、サブテーマは「RFからTHzまでのトランシーバ」である。
広島大学と情報通信研究機構(NICT)、パナソニックの共同研究チームは、300GHz帯で32値のQAM信号を出力する送信器チップを試作した(講演番号20.1)。チャンネル当たりのデータ送信速度は17.5Gビット/秒で、6チャンネルの5GHz帯域出力を備える。製造技術は40nmのCMOS。
セッション21のメインテーマは「アナログ」、サブテーマは「エネルギーハーベスティングと無線給電」である。
効率が78%と高い光エネルギーハーベスティング回路をUniversity of Michiganが考案した(講演番号21.4)。太陽電池から定電圧、最大電力を取り出す役割を担う。従来、この役割はDC/DCコンバータ回路が担当してきた。開発した回路ではDC/DCコンバータを使わない。太陽電池セルのネットワーク回路とMPPT(Maximum Power Point Tracking)回路を再構成可能にすることで、高い効率を実現した。対応する照度の範囲は10ルクス〜10kルクス。
このセッションでは他に、無線給電の3種類の技術規格に対応したバッテリー充電ICをMAPSが発表する(講演番号21.8)。対応する規格は「Qi」と「PMA」「A4WP」である。2.5Wの電力を送受信したときの効率はQiが63%、PMAが62%、A4WPが54%。
またAnalog Devicesは、圧電素子および熱電変換素子によるエネルギーハーベスティングに対応した2入力3出力のコンバータを報告する(講演番号21.3)。単一のインダクタで200nAの電流を許容する。またUniversity of Freiburg-IMTEKとHahn-Schickardの共同研究チームは、圧電素子によるエネルギーハーベスティングに対応したパラレルSSHI(Synchronized Switch Harvesting on Inductor)整流器を発表する(講演番号21.2)。許容電力範囲は4μW〜1mWである。
訂正とおわび:掲載当初、パナソニックの共同研究チームの発表内容(講演番号20.1)で、チャンネル当たりのデータ送信速度は「7.5Gビット/秒」としておりましたが、正しくは「17.5Gビット/秒」の誤りです。おわびして、訂正致します。
(次回に続く)
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