2020年仕様の車載アナログ半導体を公開 : 燃料電池監視IC、48V←→12V変換IC (2/2 ページ)
LTC6806同様に、2020年市販車をターゲットにした開発中製品としては、高耐圧の双方向昇降圧DC-DCコントローラ「LTC3871」も出品した。多くの車載向け電源ICで採用実績を伸ばす中で、LTC3871は、2020年までに欧州を中心に急速に市場が立ち上がる見込みの48V系電源でECUを動作させる「48Vシステム」で発生するであろうニーズに応えたDC-DCコントローラだ。
高耐圧の双方向昇降圧DC-DCコントローラ「LTC3871」の展示 (クリックで拡大)
より大電力を効率良く扱うために導入に向けた開発が進む48Vシステムだが、全てのECUの電源電圧が48Vに統一されるわけでなく、一部のECUは現状の12Vシステムとなる。また48Vシステムのオルタネータやバッテリーなど発電/蓄電系の出力は48Vになるが、エンジン停止時などの電力を賄う鉛蓄電池の出力は12Vのままになる。そのため、エンジン動作時は48Vの電力を12Vに降圧し、12VシステムのECUへ供給する必要がある一方で、エンジン停止時には逆に12Vの電力を、48Vシステムへ昇圧して供給する必要が生じる。
48Vと12Vを行き来させるDC-DCコンバータユニットのイメージ (クリックで拡大) 出典:リニアテクノロジー
現状、48Vと12Vを行き来させるDC-DCコンバータユニットを構成する場合、48V→12Vの降圧回路と、12V→48Vの昇圧回路が別に組むことが当たり前だった。これに対し、LTC3871は、48V→12Vの降圧、12V→48Vの昇圧の双方に1ICで対応するDC-DCコントローラで、同ユニットの省サイズ化、低コスト化を実現するデバイスだ。技術的難易度の高い12Vから48Vへの昇圧も、95%を上回る最大変換効率を実現し、「昇圧回路を単独で構成した場合と同等以上の効率を誇る」とする。降圧側の最大変換効率は97%だという。LTC3871についても、2016年中にサンプル出荷が始まる見込みだ。
双方向昇降圧DC-DCコントローラ「LTC3871」の説明パネル (クリックで拡大) 出典:リニアテクノロジー
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