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画像センサーメーカーに学ぶ、事業創造のヒント勝ち抜くための組織づくりと製品アーキテクチャ(12)(2/4 ページ)

» 2016年01月25日 09時30分 公開
[世古雅人EE Times Japan]

事業領域の拡大・シフト

 新市場に既存製品を販売する組み合わせは、市場開発(開拓)戦略で、失敗した場合に撤退を回避し、かつ、従来の仕事のやり方に慣れている優秀な社員がいる場合、会社としての保有資産は多いと見ることができる。具体的には顧客、販売チャネル、業務プロセス、人材、技術である。

 市場成長率が低い(事業そのものが成熟している)が、撤退はしたくなく、うまく保有資産を活用するためには、事業ドメイン(事業領域)の再定義(=拡大・シフト)を行うことが、問題解決の糸口になることがある。

 事業ドメイン(事業領域)を定義するとき、「対象顧客」を定めなければならないことは経営戦略では定石である。その対象顧客にどのような機能を提供(提供機能)できるのか、どのような形で提供(提供形態)できるのかを考えることが重要だ。さらに、機能を実現する技術で表すのではなく、目的をもった機能で表現する。これまで自社に蓄積された技術を活用し、事業展開が可能な市場を探索することで「市場到達の可能性」が高くなる(図2参照)

図2 事業ドメイン(事業領域)の拡大・シフト 図2 事業ドメイン(事業領域)の拡大・シフト(クリックで拡大)

 「市場到達の可能性」が高くなるということは、違う分野(市場)に参入できる可能性が高くなるということだ。しかし、そう単純にいくはずもなく、市場参入を邪魔する要因は存在し、さまざまな脅威となる(図3参照)。

M.E. ポーターが定義する「5つの競争要因」 M.E. ポーターが定義する「5つの競争要因」(5-Forces:M.E. ポーター)

 ここでは難しく考えず、優れた技術力をベースとして新製品を開発し、突破口を見いだすことが、「顧客創造」へつながる可能性があることと、次の「事業創造」との関連性が深いことを頭に入れておきたい。

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