凸版印刷は、印刷製造技術による電子ペーパーの参考展示を行った。電子ペーパーなどの情報端末は、用途の多様化から軽量性やフレキシブル性、落としても割れない丈夫さが求められている。同社は、フレキシブルTFT基材とプラスチック基板を組み合わせることで、軽量でフレキシブルな電子ペーパーを開発した。
プラスチック基板上に印刷プロセスでTFTを形成するには、電極材料や有機半導体材料などのさまざまな材料に適した印刷方法を使い分ける必要があるとともに、複数の層を精度良く位置合わせすることが重要になるという。凸版印刷は今回、環境調和性の高い印刷技術を活用し、これらの課題を解決した。会場では、同成果により開発した、小売/流通分野向けの「レール型電子ペーパー棚札」を展示した。
電子ペーパーの開発はまだ研究レベルであり、「今後は、量産に向けて歩留まりの改善やコストダウンを進めていく」(説明員)と語る。用途は物流やサイネージなど多岐にわたるが、レール型電子ペーパー棚札の実用化を2017年度中に目指すとしている。
大日本印刷は、スポーツやゲームなどに活用できる大面積の圧力センサーシートを展示した。同センサーシートは、ディスプレイ用のTFTを用いて、外力による抵抗値の変動を電気信号として検知し、高速応答できる情報入力素子として用いることができる。
同センサーシートは、床面内における生活者の行動把握や、スポーツ用途でのモニター、ヘルスケア分野など大面積センサーとしての活用が期待される。今後は、メートル級の大面積TFTアレイの実現に向けて、要素技術の確立をしていくとした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.