三菱電機は、無線LANと音波を活用した屋内の位置検出ができるシステムを開発した。位置検出までの時間は約100ミリ秒で、誤差は30cm。システム構成がシンプルで、安価で実現できるのが特長だ。GPSの電波が届かない駐車場や、倉庫の物流管理などで利便性の向上に貢献するという。
三菱電機は2016年2月12日、無線LANと音波を活用して屋内の位置検出ができるシステムを開発したと発表した。GPSの電波が届かない駐車場や倉庫の物流管理などで、利便性の向上に貢献するという。例えば、駐車場では車を止めたときにスマートフォンに位置情報を記憶させ、戻るときに現在地を検出して、駐車位置まで案内してくれる。
同システムは、音波による位置検出機能を無線LAN装置に搭載する。次に、スマートフォンと無線LAN装置との間で音波を往復させる。最後に、音波の伝達時間から距離を測定し、対象物の位置を特定する仕組みである。
音波の入出力は、一般的なスマートフォンに内蔵されているマイク/スピーカーが利用できる。そのため、ユーザーは専用機器を必要とせず、専用のアプリをインストールするだけで位置検出を利用できる。「位置検出までの時間は約100ミリ秒で、誤差は30cm」(三菱電機)としている。
三菱電機の情報技術総合研究所情報ネットワーク基盤技術部で部長を務める相川秀斗氏は、「音波のパターンを正確に検出したり、複数の音波を同時に検出してきれいに分離したりする技術に、当社のノウハウが詰まっている」と語る。
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