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もう駐車場で迷わない? 音波を使った屋内位置検出「構成がシンプルで低コスト」(2/2 ページ)

» 2016年02月15日 11時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]
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システム構成がシンプルで安価

 GPSが届かない場所の位置検出は従来、無線通信時間測定やビーコンによる位置検出システムなどが活用されていた。しかし、相川氏は、「無線通信時間測定は時刻同期機能を持った特殊な無線装置が必要。ビーコンは、測定精度を高くするに応じて設置台数が増加するなど、システムが複雑で高価になるケースが多かった」と語る。

三菱電機の情報技術総合研究所情報ネットワーク基盤技術部で部長を務める相川秀斗氏 (クリックで拡大)

 相川氏によると、従来の位置検出システムにかかる価格は、規模によって異なるが約10個の機器を使用すると約100〜200万円。今回発表したシステムは、既存の無線LAN装置があれば、マイク/スピーカー/CPUを搭載した後付けのモジュールとソフトウェアを追加すると位置検出が可能になる。後付けのモジュールの価格は1個当たり約1万円としており、「構成がシンプルで、かつ、低コストで実現できるのが1番のメリットである」(相川氏)と語る。1台のカバー範囲は、20〜30m四方とした。

 同システムは技術的な部分は既に確立されており、今後は適用する製品を絞りながら、2017年4月の実用化に向けたアプリケーション開発を進めていくとした。

デモの様子を写真で紹介

 発表会では、音波による位置検出機能を搭載した無線LAN装置4個を部屋の四隅に設置し、タブレット端末の位置を検出して、スポットライトを表示するデモが行われた。

左=デモの構成。音波による位置検出機能を搭載した無線LAN装置4個が部屋の四隅に設置されている。真ん中下に検出したタブレットの位置が表示されている/右=無線LAN装置。無線LAN装置とタブレット端末とで音波の送受信が行われ、その伝達時間から距離を測定し、対象物の位置を特定している(クリックで拡大)
誤差はほとんどなく、タブレット端末の位置にスポットライトが表示されている (クリックで拡大)
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