注力する基盤3事業の中で、最も売り上げ規模の大きいエネルギー事業は、売り上げ規模を2015年度見込み1兆6000億円から、2016年度1兆7100億円、2018年度1兆9400億円を目指す。成長の柱となるのが原子力発電ビジネスであり、2030年度までに原子炉45基の受注を目指し成長エンジンとする。原子力発電以外の火力発電、再生エネルギー、送変電システムビジネスについては、安定収益領域と位置付け着実な成長を目指す。
半導体を含むストレージ事業は、カンパニー名を従来の「セミコンダクター&ストレージ社」から「ストレージ&デバイスソリューション社」に改称するなど、ストレージ関連ビジネスを注力成長領域に据える。特にNAND型フラッシュメモリに対し、積極的な投資を実施していく。同月17日に発表したNANDフラッシュの主力製造拠点四日市工場(三重県四日市市)の6棟目となる新製造棟の建設/整備*2)に2016〜18年度に3600億円を投じる他、主に3次元構造NANDフラッシュ「BiCS FLASH」への生産切り替えを目的に既存製造棟の設備更新なども実施する。その結果、2016〜18年度、メモリ生産に対し合計8600億円規模の投資を実施する。
新製造棟の建設スケジュールについては、2016年度中に土地の造成を実施し、2017年度に建設するとしている。
*2)関連記事:東芝、3D NAND新工場建設を決定
メモリ事業の売り上げ計画は、2015年度8000億円見込みに対し、2016年度は7400億円と減収の計画。「2016年度上期一杯は売価ダウン影響が残る」と減収要因を説明した。ただ、2017年度以降は2017年度8500億円、2018年度9500億円と、エンタープライズ向けSSDの需要増に支えられた増収を計画している。
メモリ以外の事業については、すでに発表している構造改革策*3)により、2016年度からの黒字化を見込むが、投資については「原則、老朽更新のみ」(室町氏)とした。
*3)関連記事:東芝 半導体リストラ、1200人が異動/退職へ
空調機や昇降機などで構成する社会インフラ事業は、ビル施設向けビジネス、海外での水関連ビジネスでの成長を図る他、独自の二次電池「SCiB」事業を新規成長領域に据える。室町氏は「2016年度にSCiBの増産投資を実施する」とし、大手自動車メーカーのアイドリングストップシステムなどに採用される同二次電池の生産規模を現状の1.5倍まで引き上げる。
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