自宅から電気自動車に電力を送る、効率85%:非接触給電(2/2 ページ)
非接触給電システムの性能は、給電効率や、送信受信コイルの距離・位置ずれの許容度によって表すことができる。
「給電効率は送受信端子間で約85%だ。垂直距離の許容度は送受コイル間距離にして75〜135mm、水平距離は車の前後方向に±75mm、左右方向に±100mmだ」(IHI)。
図3 送受コイルの外観 IHIのロゴがある上下の板状の構造物内にコイルを収めた。上が受電側、下が送電側。出典:IHI
給電効率を高めるためには、自動車が備える駐車支援システムと統合することが望ましい。送電コイルを駐車場のレーンなどに見立てて容易に正確に位置合わせができるからだ。「今回の実証実験は、家側視点で実施しているため、車側については特段の装置(位置補正システムなど)は付加していない」(IHI)。
今後は、2〜3年後の実用化を目指して開発を進めるという。
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