「ISPD 2016」においてIntelは、10nmプロセス以降もCMOSに注力する考えであることを明らかにした。同社はそこで、ムーアの法則は微細化そのものというわけではなく、より多くのダイをウエハー上に形成することで利益を確保することだと、述べている。
Intelは、10nmプロセス以降のプロセッサコアに、引き続きCMOSを利用していく考えだ。新材料を用いた新しい回路アーキテクチャをコアに適用することにより、ムーアの法則を永久的に延長することが可能だという。
Intelの技術/製造グループ担当バイスプレジデント兼、回路技術担当ディレクターを務め、IEEEフェローでもあるKevin Zhang氏は、「ムーアの法則とは、微細化を実現することではなく、より多くのダイをウエハー上に形成することによって経済的利益を確保することである」と述べた。
Intelは、アナログ回路をデジタル化、あるいはデジタル処理をしたり、微細化したCMOSコアの特定の周辺機能向けに新材料を開発したりして、新しい回路を追加していくという。同氏は、90〜22nmプロセス技術によるプロセッサ開発の責任者を務めた経歴を持つ。
Zhang氏は、米国カリフォルニア州サンタローザで2016年4月3日〜6日に開催された「International Symposium on Physical Design(ISPD) 2016」において、「Circuit Design in Nano-Scale CMOS Technologies(ナノスケールCMOS技術の回路設計)」と題する基調講演を行った。ISPD 2016は、米国計算機学会(ACM:Association for Computing Machinery)が主催する次世代チップ関連の会議であり、IntelやIBM、Cadence Design Systems、GLOBALFOUNDRIES、IMEC、TSMC、Xilinxなど、世界各国の大手半導体メーカーがスポンサーを務めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.