ロームは、「TECHNO-FRONTIER 2016」(2016年4月20〜22日/幕張メッセ)で、Wi-SUN/EnOceanの通信モジュールを使用したモニタリングデモを展示した。注目は既存のWi-Fiルーターに挿すだけで、Wi-SUNに対応するUSBドングル。2016年中に量産開始予定という。
ロームは、2016年4月20〜22日に幕張メッセで開催されている「TECHNO-FRONTIER 2016(テクノフロンティア)」で、無線通信規格「Wi-SUN」「EnOcean」の通信モジュールとセンサーを使用したモニタリングデモを展示した。
デモでは、Wi-SUNの通信モジュールと照度センサーを展示入り口や各スペースに置き、それぞれの場所の照度を計測できる様子が見られた。Wi-SUNは、920MHz帯を使用する無線通信規格で、HEMS(Home Energy Management System) やIoT分野での用途が想定されている。Wi-FiやZigBeeと比較して通信速度は遅いが、通信距離が約500m〜1kmと長く、ボタン電池で数年動作できるといった低消費電力なのが特長である。
ロームは、2015年11月に「Wi-SUN Profile for Echonet Single-Hop HAN」(Wi-SUN HAN)の認証を「世界で初めて」(ローム)取得している。スマートメーターとHEMSコントローラの間を結ぶ「Bルート」では「Wi-SUN Echonet Profile」などが既にあるが、HEMSコントローラと複数の家電の間を接続する用途において、Wi-SUN HANの普及が今後期待されているという(関連記事:ローム、Wi-SUN HAN認証を取得)。
説明員は、「現在、既存のルーターに取り付けることで、Wi-SUN対応機器にすることができるUSBドングルを開発中である。2016年中に量産化の予定だ」と語る。今後は、農業や構造物の監視におけるセンサーノード向けの展開も進めていくとした。
もう1つのモニタリングデモは、コアスタッフが販売する見守り開発キットに、EnOcean規格準拠の温湿度センサーや人感センサーなどを搭載したIoTシステムである。
EnOceanは928MHz帯(日本)を使用しており、見通し通信距離は約100mとなっている。ロームによると、EnOceanはデータを送信するだけで、大きな電力を発電することはできない。しかし、スイッチを押した力や光のエネルギーを集めて電気エネルギーに変換(エナジーハーベスト技術)し、それを利用して無線通信を行うので、電池を必要としないのが特長である。
EnOcean活用のアプリケーションとしては、工場における温湿度管理や異常振動の検知を挙げる。今後は、データセキュリティー対応製品も開発していくとした。
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