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長距離光伝送で最高級の周波数利用効率を達成大陸間光海底ケーブルの大容量通信を可能に

NECは、長距離光伝送実験で世界最高レベルの周波数利用効率を実現した。大西洋横断に相当する長い距離で、1ファイバー当たり34.9Tビット/秒の大容量通信を可能とする

» 2016年06月14日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

ファイバー当たり34.9Tビット/秒の通信容量

 NECは2016年6月、長距離光伝送実験で世界最高レベルの周波数利用効率を実現したと発表した。大西洋横断に相当する長い距離で、1ファイバー当たり34.9Tビット/秒の大容量通信を可能とする技術である。

光海底ケーブルのイメージ画像 出典:NEC

 周波数利用効率は、単位時間、単位周波数帯域当たりに送信できる情報ビット数である。これまでの最高値は、7.1ビット/秒/Hzであった。今回の実験では8.3ビット/秒/Hzを達成した。この数値は周波数利用効率の理論上の限界値に0.5dBまで迫るものだという。

 今回の実験では、正規分布を活用した64値振幅位相変調方式「DP-64APSK」、誤り訂正符号化技術、非線形波形歪耐力に優れた準シングルモードファイバー技術などを組み合わせて用いた。これにより、Cバンド(1.55μm帯)の周波数帯域を用いて、1ファイバー当たり34.9Tビット/秒の通信を、6300kmと長距離にわたって実現することができたという。

 今回の成果についてNECは、「大陸間を結ぶ長距離光海底ケーブルのさらなる大容量化を可能にする」とみている。

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