エリクソン・モビリティ・レポートによると、2016年にはスマートフォン契約数が、ベーシックフォンの契約数を上回るという。特に、これまでスマートフォンのユーザーが少なかったアフリカや中東で大幅に増加するとしている。藤岡氏は、「発展途上国では、スマートフォンは、多くの消費者が初めてインターネットに触れる手段となっている」と語った。
移動通信の世代の移行については、2021年には北米と西欧ではスマートフォン契約数の90%以上がLTE(一部は5G)になるとみられている。これに関しては地域の差が大きく、中東やアフリカでは、2Gと3Gが占める割合の方が圧倒的に大きい。
藤岡氏は、キャリアにとって新しいビジネスの手段になり得る技術として「マイクロウェザー」を紹介した。バックホールなどに使われているマイクロ波回線を利用して、高精度に雨量を測定するというものだ。
藤岡氏は「マイクロ波は雨によって減衰する性質があり、減衰量は、おおむね雨量に比例する。これを利用すれば、雨量を高精度に測定できる」と説明する。雨量を計測する手段としては、雨量計や気象レーダーを用いる方法があるが、どちらも5〜15分ごとに広範囲でしか測定していない。マイクロ波を利用することで、10秒〜1分単位でより局地的に雨量を計測できるとする。
ただし、日本ではバックホールに光ファイバーが使われているので、「残念ながら日本で展開できるビジネスではない」(藤岡氏)という。なお、Ericssonは、スウェーデンのキャリアであるHi3G Accessおよびスウェーデン気象水理研究所(Swedish Meteorological and Hydrological Institute:SMHI)と共同で、マイクロウェザーの実証実験を8カ月にわたり行い、マイクロ波ネットワークで雨量が計測できることを示した。
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