2つのチップはサイズも内部の配置も一致したものだが、違いが2つだけある。1つ目は、片方はパッケージ内部で2つのチップが接続されるSIP(Silicon In Package)構造を取っていること。2つ目は、2つのチップ(パッケージ開封後に確認できるチップ)に刻印されている日付が違っていることである。日付はわずかに1カ月違いだ。恐らくベースとなっているチップが「MT6261A」で、一部を改造して派生させたものが「MT2502」なのであろう。基本機能はどちらも共通だからだ。
スマートフォンでの成功に甘んじることなく、MediaTekは次々と手を打ってくる。このチップには最先端な仕様はない。しかも3世代ほど古い安価なプロセステクノロジーで製造されている。GSM通信、クラシックなARM7……。しかし、中国やアジアではLink It OneやMT6261Aを活用した製品はまるで雨後のたけのこのごとく生まれている。息せいて最新パーツを最新プロセスで作らなくても、製品は登場する。ウェアラブル機器やIoT機器、ビーコンなどのエッジ端末市場では、「迷い」がないメーカーしか生き残れないのかもしれない。
中国のパワー市場は発展途上でも、日米欧を猛追
中国 上海で開催されたパワーエレクトロニクスの展示会「PCIM Asia 2016」では、地元のIGBTデバイス/モジュールメーカーが目立った。専門家は、中国のパワーエレクトロニクス技術は、欧米や日本にまだ及ばないものの、猛スピードで追い上げているという。