前回に続き、半導体産業の市場について解説する。半導体製造装置の市場規模は3年前の2013年に比べて増加しているが、地域別にみると中国の台頭が目立つ。また、同市場の成長要因についても触れる。
半導体製造装置と半導体製造用材料に関する北米最大の展示会「SEMICON West 2016」が7月12〜14日の3日間、米国カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーンセンター(Moscone Center)で開催された。前々回でご紹介したように、主催者のSEMI(半導体製造装置・材料協会)は、初日(7月12日)の朝に報道機関およびアナリストに向けた説明会を開催した。前回は説明会から、SEMIの代表者が語った半導体デバイスと半導体製造装置の市場動向をご紹介した。今回は、前回の続きである。半導体製造装置と半導体製造用材料の市場動向に関する内容をご報告する。語り手はSEMIで産業調査・統計担当シニアディレクターを務めるDan Tracy氏である。
Tracy氏は続いて、半導体製造装置市場の中期予測を紹介した。2013年〜2017年の世界市場を、地域別と装置別に分類して示した。
現在から3年前の2013年に、半導体製造装置の世界市場は318億2000万ドルだった。地域別では台湾が最も多く、105億7000万ドルで3分の1を占めていた。次いで北米、韓国、日本と中国(同数)の順位だった。それが2015年には、世界市場は365億2000万ドルに増加する。地域別のトップは台湾で変わらない。ただし金額は96億3000万ドルに減少した。台湾に続くのは韓国、それから日本、北米である。これに中国が続く。
2016年の予測でも、地域別のトップは台湾で変わらない。ただし2位に中国が躍進する。3位以下は韓国、日本、北米である。世界市場の金額は369億4000万ドルで前年からはわずかに成長する。
装置別の市場規模は、「ウエハープロセス」「アセンブリとパッケージング」「テスト」「その他」に分類される。最も比率が大きいのは当然ながら「ウエハープロセス」である。2013年にウエハープロセス装置の市場規模は253億6000万ドルあった。これが2017年には、330億9000万ドルに増加するとSEMIは予測する。
一方、「アセンブリとパッケージング」の市場はほとんど伸びない。2013年の市場規模は23億2000万ドル、2017年の市場規模(予測値)は24億8000万ドルである。後工程の装置市場が飽和してきていることがうかがえる。
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