AIデータセンターや電動車(xEV)の普及によって電力需要が増大する中、電力変換効率を左右するパワー半導体の重要性が高まっている。炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)は既に実用化され市場を拡大している一方、ダイヤモンドや酸化ガリウム、二酸化ゲルマニウムといった「次々世代」材料の研究も進む。次世代パワー半導体として期待される5つの材料の現状と課題を整理する。
この記事は、2026年3月24日発行の「EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版2026年3月号」に掲載している記事を転載したものです。
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AI技術の進展によるデータセンターの増加や電動車(xEV)の普及を背景に社会全体で電力需要が高まり、高電圧/大電流のアプリケーションも増加する中、電力変換効率を左右するパワー半導体がますます重要となっている。従来のシリコン(Si)パワー半導体では性能向上に限界が見え始める中、期待が高まっているのがSiよりも優れた電力特性を持つ次世代パワー半導体材料だ。
炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)は既に実用化され、市場が拡大しているが、アカデミアやディープテック企業ではさらに高性能な材料の研究も進んでいる。本稿では、期待が集まる5つの材料の市場および研究開発の現状について整理する。
既に幅広く利用され、「次世代パワー半導体の主役」ともいえるのがSiCだ。Siと比べてバンドギャップは約3倍、絶縁破壊電界強度は約10倍、熱伝導率は約3倍で、高耐熱/高耐圧のアプリケーションに強みを持つ。
SiCパワーデバイス市場拡大の転機となったのは2018年、TeslaがEV「Model 3」のトラクションモーター用インバーターにSTMicroelectronics(ST)のSiCパワーデバイスを採用したことだ。これが実績となって以降、他社にも搭載が広がった。現在はxEVや産業機器を中心に採用が拡大している。
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