NEDO理事長「第4次産業革命で30兆円の価値を」:2020年名目GDP600兆円達成に向けて(2/2 ページ)
次に、古川氏はAI技術の開発について述べた。AI技術はまだ、「人間の知能の一部を表現する程度であり、各種技術課題を解決し、人間と機械が協働する社会の実現に備える」とする。具体的には、国内外に分散する研究者を産業技術総合研究所の人工知能研究センターに集めて議論を行い、世界水準の研究拠点形成を目指していく。
また、社会実装の視点では、2016年4月に「次世代人工知能技術 社会実装ビジョン」を発表した。同ビジョンは、AI技術の発展が日本社会の各出口分野にもたらす効果を、技術の進展予測とともに、時間軸上に可視化。府省連携で進める「人工知能技術戦略会議」で議論中の「産業化ロードマップ」策定にも貢献する予定という。
次世代人工知能技術 社会実装ビジョンの全体概要 (クリックで拡大) 出典:NEDO
「今回のAIブームは、過去2回のブームと違うと考えている。インターネットが当たり前になったからだ。今までもAIは存在していたが、グローバルにつながることはできなかった。今は、インターネットを使って外側でも処理することができる。さまざまな方向性が考えられ、国内外の研究者と議論を進めている最中だ」(古川氏)
- 中堅研究員はAIの向こう側に“知能”の夢を見るか
今、ちまたをにぎわせているAI(人工知能)。しかしAIは、特に新しい話題ではなく、何十年も前から隆盛と衰退を繰り返してきたテーマなのです。そしていまだに、その実態はどうも曖昧です。本連載では、AIの栄枯盛衰を数十年見てきた私が、“AIの彼方(かなた)”を見据えて、AIをあらゆる角度から眺め、検証したいと思います。果たして“AIの向こう側”には、中堅主任研究員が夢見るような“知能”があるのでしょうか――
- Intelモバイル撤退の真相――“ARMに敗北”よりも“異端児SoFIA”に原因か
今回は、2016年5月に明らかになったIntelのモバイル事業からの撤退の真相を、プロセッサ「Atom」の歴史を振り返りつつ探っていく。「Intelは、ARMやQualcommに敗れた」との見方が強いが、チップをよく観察すると、もう1つの撤退理由が浮かび上がってきた。
- 衝撃の「ADIのリニア買収」背景と今後
日本時間2016年7月27日の朝、国内半導体業界にも衝撃が走った。営業利益率4割を超える超優良半導体メーカーLinear Technology(リニアテクノロジー)が、Analog Devices(ADI、アナログ・デバイセズ)に買収されることで合意したという。業界関係者は「まさかリニアが!」と驚くとともに、「なぜ、リニアが?」と首をひねった――。
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- NEDOが人工知能技術の進展予測を公表
NEDOは2016年4月21日、人工知能技術の進展予測と、産業界に与える効果をまとめた「次世代人工知能技術社会実装ビジョン」を公表した。
- 「IoTはAIを活用」、NEDOが次の注力分野を発表
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2015年11月26日、2015年10月に決定した古川一夫氏の理事長再任に伴い、今後の方針について記者発表会を行った。
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