村田製作所と指月電機製作所は2016年9月16日、資本業務提携を結び2016年10月1日付で共同開発する新素材を用いたフィルムコンデンサーの開発、製造を行う合弁会社を設立すると発表した。
村田製作所と指月電機製作所は2016年9月16日、資本業務提携を締結するとともに、フィルムコンデンサーの開発、製造を手掛ける合弁会社を設立することで合意したと発表した。
資本提携は、両社の信頼関係強化と、設立する合弁会社の事業推進を目的に実施。村田製作所が、指月電機の保有する自己株式390万株を自己株式処分により取得する形で行う(2016年10月3日付)。村田製作所の株式取得額は、21億9570万円で、これにより村田製作所は、指月電機の発行済み株式の13.52%を所有することになる。指月電機は、自己株式処分により取得する資金は、合弁会社の設立資金(7000万円)、合弁会社への融資(9億8000万円)、合弁会社から生産を受託する予定の子会社・秋田指月(秋田県雄勝郡羽後町)への融資(約11億4000万円)に充てるとしている。
2016年10月3日付で設立予定の合弁会社の出資比率は、村田製作所が65%、指月電機が35%。資本金は1億円。所在地は羽後町。会社名は未定。セラミックコンデンサー技術とフィルムコンデンサーの技術を融合させた新製品の開発、製造を行うとする。
両社はこれまでも共同でのマーケティング、商品開発、販売や、村田製作所が保有するセラミックコンデンサー技術と指月電機製作所が保有するフィルムコンデンサー技術を融合させた新素材の共同開発を推進してきた経緯がある。共同開発してきた新素材は、耐熱性に優れ、電気自動車(EV)の搭載システムの冷却機構の簡素化などに貢献する素材だという。
両社は今回、資本提携に至った理由として「(共同開発する新素材の)2015年の試作品で良好な結果が得られ、新商品開発に一定のメドがついたことを踏まえ、2016年年初から当該新素材の事業化の本格検討に入り、両社が今後の事業展開について協議した。結果、両社グループが有する経営資源を結集し、競争力を有する付加価値の高い製品提供と高い収益性を両立して達成することを目的に、共同出資による合弁会社の設立について合意した」とコメントしている。
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