CEATEC JAPANの運営事務局は、社会的に注目されている分野の1つにFintech(金融×IT)を挙げている。そのFintechを象徴する企業としては、初出展の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が注目といえるだろう。店頭で案内を行う人型ロボット「NAO」や、人工知能を活用したバーチャルアシスタント「MAI&MAIQ」、印鑑を使わずに口座開設ができるスマートフォンアプリなど、14個のサービスを展示している。
三菱東京UFJ銀行デジタルイノベーション推進部の第二グループで調査役を務める正木綾香氏は、「ICT関連技術の進歩とともに、異業種からの金融業参入が進むなど、金融機関を取り巻く環境は大きく変化している。当社も、従来のままではいけないと危機意識を抱いている。そのため、新しいビジネスモデルやサービスを生み出すため、ベンチャー企業などと連携し、オープンイノベーションを進めている」と語る。
2016年3〜7月にかけては、起業家やベンチャー企業と新しいビジネスの立ち上げを目指すアクセラレータープログラム「FINTECH ACCELERATOR」を開催。MUFGグループが事業プランのブラッシュアップやプロトタイプの構築支援、アライアンスなど、事業化に向けたステップを支援した。第1期は既に終了しており、5つの企業における成果も展示では紹介されている。2016年秋には、第2期の募集が開始される予定だ。
前回に引き続き、2回目の出展となる楽天/楽天技術研究所は、書籍をチラッと読むことができる「zapzap」などを展示している。zapzapに本を置くと、多く出現する単語が本の周りに表示され、単語をタッチすると関連する文章が表示される。本の表紙をカメラで上から撮影し、楽天kobo電子書籍内のデータと照合することで、単語を表示している。同社は「本屋で、ユーザーを本との偶然な出会いへと導く」としている。
同社は、2015年にデジタルサイネージの展示を行ったが、今回は楽天市場を中心としたEコマースに出店している店舗をエンハンスすることをコンセプトとしている。
なお、CEATEC JAPANは例年、“土曜日まで”の会期だったが、今回からは“金曜日まで”の会期に変更。今回は明日、2016年10月7日が開催最終日だ。
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