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空飛ぶ折り鶴が“誰でも操縦できる”ように進化アクロバット飛行も

ロームは「CEATEC JAPAN 2016」(シーテック ジャパン、会期:2016年10月4〜7日、会場:千葉市幕張メッセ)で“空飛ぶ折り鶴”のデモ飛行を公開する。

» 2016年10月04日 10時00分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

ロームグループ製品で構成

 ロームは2016年10月4〜7日に開催される展示会「CEATEC JAPAN 2016」(シーテック ジャパン、会場:千葉市幕張メッセ)で、ロームグループ製品で構成した“空飛ぶ折り鶴”のデモ飛行を公開する。

“空飛ぶ折り鶴”のデモ飛行

 “空飛ぶ折り鶴”は、鶴同様に羽根を羽ばたかせて空中を飛ぶ折り鶴を模した機体で、920MHz無線通信を介して遠隔操縦できる。ロームは、超小型飛行体研究所の宗像俊龍氏と共同で、この空飛ぶ折り鶴を開発、2015年のCEATECで披露していた*)

*)関連記事:3グラムのマイコンボードで、折り鶴が舞う!

 今回のCEATEC 2016で公開するのは、“進化版・空飛ぶ折り鶴”で、1年前のものと比較し、大きく機能を向上させた。

 進化版・空飛ぶ折り鶴の最大の特長は、自己姿勢制御機能を機体に搭載したこと。機体に搭載された加速度センサー、ジャイロセンサー、気圧センサーで、2軸(ピッチ、ヨー)で自己の姿勢を割り出し、機体の飛行姿勢を自動的に安定させる制御を行うようにした。加えて、羽根を2枚から4枚にし、鶴の尾に相当する尾翼にプロペラを追加した。これらの改良により、飛行が格段に安定。従来は操縦に熟練した技術が必要だったが、「特別な訓練なく、誰でも直感的に操縦できるようになった」とする。なお操縦は「羽ばたきの強弱」(速度)と「飛行していく方向」の2項目の入力のみで操縦できる。また、前回は不可能だったその場で1回転するなどのアクロバット飛行も可能になったという。

ジェスチャーで操縦も

 操縦が簡単になったことにより、スイッチ式の従来型コントローラーに加え、ウェアラブルなリストバンド型コントローラーによる制御にも対応させた。加速度/ジャイロセンサーを搭載したリストバンド型コントローラーを手首に装着し、腕を上下に振ることで速度を、左右に振ることで進行方向を、制御できる。

リストバンド型コントローラーを着けた腕のジェスチャーでも操縦可能だ (クリックで拡大)

 機体のハードウェア構成は、ロームの子会社ラピス製低消費電力16ビットマイコンを搭載する小型軽量マイコンボード「Lazurite」(ラズライト)がベース。そこに、920MHz無線LSI、羽根を羽ばたかせるためのモータードライバー、加速度/ジャイロセンサー、気圧センサー、バッテリーを搭載。「構成自体は、前世代と比べほとんど変わっていない」(宗像氏)とする。「前世代では、センサーの情報は、取得するだけで姿勢制御に活用していなかった。今回はより安定した飛行を実現するため、姿勢制御を取り入れることになり、当初は、マイコンの性能が足りるかどうか心配したが、羽根の羽ばたきによる振動に起因するノイズを取り除くフィルタープログラムを軽量かつ高性能に実装することができ、16ビットのマイコンでも十分な処理が可能になった」とする。

写真左が“進化版・空飛ぶ折り鶴”の機体。機体の重量はおよそ32g。写真右が従来型コントローラーで、写真中央がリストバンド型コントローラー。リストバンド型コントローラーも機体同様、小型軽量マイコンボード「Lazurite」をベースに開発されている

 なお、空飛ぶ折り鶴のキーデバイスは全てロームグループ製品で構成。マイコン、920MHz帯無線通信用LSIは、ラピス製、加速度/ジャイロセンサーはKionix(カイオニクス)製、モータードライバー、気圧センサーなどはローム製品となっている。

CEATEC JAPAN 2016(シーテック ジャパン 2016)

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