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“オーダーメイドの肌”を印刷技術で作るファンデーションは「塗る」から「貼る」時代に?(2/2 ページ)

» 2016年10月12日 09時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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有機ELディスプレイ向け印刷技術を適用

 フィルムの材料については「明かせない」(パナソニック)としたが、医療用で使われる材料を用いているので安全性については問題ないという。大きさは10cm角で、厚さは数十〜数百ナノメートル。肌シートを印刷するプリンタとインクは、パナソニックが専用に開発した。インクの成分には、化粧品の材料が使われているという。パナソニックは、「薄いフィルムにファンデーションを印刷する技術は、当社が開発してきた有機ELディスプレイ用の技術を応用したもの」と説明した。同社は、有機EL材料をパネルに塗布する印刷方式を使った有機ELディスプレイを開発してきた。

 パナソニックによれば、肌シートの実用化は考えているものの、ビジネス形式や具体的な時期などは明確には決まっておらず、検討している段階だという。

デモには多くの来場者が集まっていた

 ファンデーションを塗るのではなく貼る、という発想はとても興味深く、デモには毎回、多くの来場者が集まっていた。

 ユーザー目線で見るならば、メリットとしては「その日の肌の状態に合わせて、肌シートができるのは便利」「色ムラなく*1)、きれいに仕上がるのはうれしい」「化粧くずれ*2)がない」「落とす(はがす)のも、ラクといえばラク」などが思い付く。鏡の前に座ればシミの状態をチェックできるので、今使用している基礎化粧品が効いているかどうかも、分かってしまうかもしれない。普段のメーク以外にも、例えばやけどやケガの跡を隠す、といった用途にも使えそうだ。

*1)色ムラのないようファンデーションを塗るのは、結構大変なのです。
*2)化粧は、午後から崩れてきます。夏の夕方など、これはもう大変な事態になります。汗と皮脂とでファンデーションが土砂崩れを起こすのです。筆者も夕方〜夜になると、ほとんどすっぴんをさらしているのではないでしょうか……。一緒の職場で働いている同僚の皆さまには心より謝罪します。

 一方で、実用化した場合を考えると、今のままでは手間が掛かり過ぎるなというのが正直な印象だ。

 将来的には、顔面全部を覆えるような肌シートができるようになる可能性もある。そうなれば、映画『ミッション:インポッシブル』に出てくる、あの変装マスクのように、メークは、べりべりべり……と“はがす”ものになるのかもしれない。

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