Intelがこのほど、自動車、産業機器市場向けのリアルタイム性能を備えた新SoCを発表したことで、ARMとのIoT(モノのインターネット)の市場を巡る戦いが激化しつつある。
IntelとARMが、マイクロプロセッサアーキテクチャを構築することを競い合うように発表したことで、モノのインターネット(IoT)を巡る戦いが激化した。
Intelは、同社製品では初めて自動車、産業機器市場向けのリアルタイム性能を備えたAtom SoCを発表した。一方のARMは、Intelの本社から2マイル足らずのところで年次の開発者会議を開催し、ローエンドのマイコン(MCU)用コアに安全性をもたらそうとしていることを明らかにした。
ARMが独自のMCU用コア「Cortex-M」を武器に、新たに起こりつつあるエンドノードを巡る戦いをリードしているのは明らかだ。一方、世界最大の半導体企業であるIntelには比較的新しいチップ「Quark x86」があるものの、市場調査会社のIHSによると、マイコンベンダーのランキングでは17位となっており、パナソニックやシャープと変わららない位置にあるという。
IHSでMCU分野の追跡を担当するTom Hackenberg氏は、「ルネサス エレクトロニクス、NXP Semiconductors、Microchipは、MCU分野ではIntelを桁違いにリードしている」と述べた。
1米ドル以下で売られることもあるMCUチップは、IoTでは極めて重要な役割を果たす。だが、そのようなチップの市場はIntelにとって新たな領域といえる。Hackenberg氏は「IoTを新たな分野にしている要因として、以前はインターネットにアクセスできなかったエンドノードが進歩し、インテリジェンスを求めるアプリケーションになったことが挙げられる」と述べた。
まだ公に議論されていないが、Intelにはある計画があり、既存のQuarkチップは最初の一歩にすぎないようだ。同社はQuarkチップの他に、6種類ものx86マイクロコントローラーを開発しているといわれている。
Hackenberg氏は「Intelは数年前、ARMベースのXscaleチップで組み込みシステム分野に深く入り込もうとしていたが、あまりうまくいかなかった。現在では、x86を再設計することでそうしたことを実現できると考えている」と述べた。
IntelがMCU分野のトップ企業と競い合うには、下記の特性、機能を備えたQuark x86チップが必要となる。
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