ドイツSiemens(シーメンス)が、Mentor Graphics(メンター・グラフィックス)を45億米ドルで買収すると発表した。
Siemens(シーメンス)は2016年11月14日(ドイツ時間)、Mentor Graphics(メンター・グラフィックス)を45億米ドルで買収することで両社が同意したと発表した。
産業向けソフトウェアを強化してきたSiemensは、今後、自動運転車を含むスマート/コネクテッド製品を開発していく上で、Mentorが持つ電子系設計ソフトウェア(EDAツール)が不可欠だとしている。
Siemensは2007年にPLM(製品ライフサイクル管理)ベンダーの米UGSを35億米ドルで買収しているが、今回のMentorの買収は、それを超える案件となっている。
プレスリリースの中でSiemensは、「当社は、機械設計、熱設計、電子設計および組み込みソフトウェア設計ツールを1つの統合プラットフォームとして提供できる、独自の“デジタル・インダストリアル・プレイヤー”の地位を目指す」と強調している。要はSiemensは、航空機から鉄道、自動車、ウェアラブル機器まで設計できるような完全なツールを提供したいのだろう。
さらにSiemensにとってMentorは、Siemensが戦略として掲げているメカトロニクスを強化できる存在でもある。
Mentorの車載分野における存在感はよく知られている。同社は、自動車の開発を加速する革新的なツールを自動車メーカーやティア1サプライヤーに提供してきた。MentorのCEOを務めるWally Rhines氏はリリースの中で「Siemensは、財務的な安定性を得るためには理想的なパートナーだ。同社のリソースによってMentorは、電子システム向けの自動化設計ソリューションの開発を加速できる」と述べている。
2016年9月、ヘッジファンドのElliott ManagementがMentorの株式の保有比率を8.1%に引き上げ、「Mentorの株価は大幅に過小評価されている」とコメントした。以来、Mentorは多大なプレッシャーにさらされていた。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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