TDKは、樹脂電極と金属端子付きメガキャップを用いた積層セラミックコンデンサーに、C0G特性対応の新製品を開発したと発表した。メガキャップ品でC0G特性に対応したのは「世界初」という。
TDKは2016年11月、樹脂電極と金属端子付きメガキャップを用いた積層セラミックコンデンサーに、C0G特性対応の新製品を開発したと発表した。C0G特性とは、−55〜125℃の範囲で、静電容量の変化率が0.3%以内であることを指す。つまり、温度変化による容量変化がほとんどなく、DCバイアス印加による容量低下がないという。
同社によると、これまでにもC0G特性の製品を展開してきたが、メガキャップ品でC0G特性に対応したのは「世界初」(樹脂電極品は、KEMETが発表している)。担当者は「誘電体材料の微細化と薄層、多層化技術により、定格電圧と静電容量の拡大を進めてきた。当社は材料の違いによって、他社を圧倒する特性を実現している」と語る。
用途としては、普及が進みつつある電気自動車(EV)向けを主に想定。EVのプラグイン充電では、オンボードチャージャーの効率的な充電を行うために、LLC共振回路方式の採用が増えている。LLC共振回路方式はトランスの洩れインダクタンスとコンデンサーの共振を利用する方式のため、高電圧と静電容量共振コンデンサーが求められる。そのため「C0G特性に対応した製品が注目されている」(担当者)と語る。また、将来的には「EVのワイヤレス給電システムにも採用されていくだろう」とした。
サンプル価格は樹脂電極品(10nF/1000V)が100円、メガキャップ品(22nF/1000V)が200円である。当初は月産50万個で、2016年12月から生産を開始している。静電容量と定格電圧が異なる製品をそろえており、詳細はリリースから確認できる
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