次に、マイクロバンプタイプとバンプレスタイプのFEMモデルを用いて、等価熱伝導率を求めた。この結果、バンプレスタイプにおける垂直接合部の熱抵抗は、マイクロバンプタイプに比べて、同じ占有率であれば150分の1に小さくなると推定した。
これらの解析結果から、バンプレスのTSV密度を全体の1%程度まで減らしても、熱抵抗を改善できることが分かった。また、各要素の熱抵抗から、全体の熱抵抗を算出した。従来のマイクロバンプタイプだと1.54Kcm2/Wに達した熱抵抗が、バンプレスタイプでは0.46Kcm2/Wに低減できることが分かった。さらに、それぞれの温度上昇分を推定したところ、マイクロバンプタイプでは温度が約20℃も上昇した。バンプレスタイプでは約4℃の上昇のとどまることが分かったという。
開発したバンプレスTSV配線技術を3次元DRAMに適用した場合、現行の温度上昇分を許容すると、現在より3〜4倍のDRAMチップを積層することが可能になるという。研究グループは今後、極めて薄いウエハーを積層し高密度TSV配線を行ったチップで実証実験を行い、携帯端末やサーバ向け大容量メモリ技術として実用化を急ぐ。
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