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» 2017年05月22日 11時30分 公開

Western Digital、「iNAND」の車向け展開を加速車でのデータ扱い量増える中で(2/3 ページ)

[Gary Hilson,EE Times Japan]

TLC導入進むモバイル市場で成長したiNAND

 iNANDは2015年3月に開催されたモバイル機器関連展示会「Mobile World Congress(MWC)2015」(スペイン バルセロナ)において、大々的に打ち出された。最新世代のiNANDアクセラレーター技術「SmartSLC」を導入したことで、NAND型フラッシュメモリセルをSLC(Single Level Cell)とTLC(Triple Level Cell)のいずれにもフォーマットできるようになり、SLC領域の書き込み速度が飛躍的に高まった。フラッシュのある領域はSLCとしてフォーマットされていて、コントローラーのロジックとファームウェアがホスト側からの要求をモニタリングしている。ホストに高い性能が必要であることをファームウェアが検知すると、デバイスを制御して、データをSLCまたはTLCに書き込む。

Counterpoint Technology Market Researchによる「スマートフォンに搭載されるNAND型フラッシュメモリの容量(単位:Gバイト)の世界平均の推移」(スマートフォン市場全体の販売台数の80%を占める、上位20社のOEMメーカーを基に調査) (クリックで拡大) 出典:Counterpoint Technology Market Research

 Bergey氏は、「モバイル機器はこれまで、TLC NANDフラッシュの導入へと突き進んできた」と指摘する。このような動向については、香港の市場調査会社であるCounterpoint Technology Market Researchが、2017年2月に発表したレポートの中で裏付けを得ている。同レポートによれば、現在、世界中で販売されているスマートフォンの2台に1台が、TLC NANDフラッシュを搭載している。グラフィックス処理技術が進展し、携帯電話機に高解像度カメラが搭載されるようになったことで、より鮮明な高品質画像や、高解像度HD、4Kビデオなどのさまざまなユーザー作成型の高品質コンテンツが、大量に生成されるようになったという。

 また同レポートは、「イメージングなどの高性能仕様が追加されたことにより、メモリメーカーは、性能や耐久性、ユーザーエクスペリエンスなどを犠牲にすることなく、コスト上の制約にも対応可能な高容量、高性能NANDフラッシュを提供するための取り組みを加速させるようになった。その後業界は、SLC(1セル当たり1ビット)から、2ビットMLC(Multi Level Cell/1セル当たり2ビット)、さらに高密度なTLC(1セル当たり3ビット)へと移行してきた」と指摘している。

データ量増大する自動車市場は「魅力的」

 Bergey氏は、「モバイルデバイスはこれまで、システムレベルで設計改良が進められてきた。しかし、自動車市場では現在、保存、処理データの量が増加しており、今後さらに多くのコンピュートモジュールが自動車に搭載されるとみられることから、非常に魅力的な市場だといえる。このようなモジュールのデータ量は、指数関数的に増大している。Western Digitalは、産業市場やコネクテッドホーム市場にもiNAND投入のチャンスがあるとみて、OEMが自社製品に取り入れられるような付加価値を提供すべく、取り組みに力を入れているところだ」と述べている。

 またBergey氏は、「スマートフォン市場からは、デバイスの数が非常に多いことや、ワークロードの変化など、実に多くを学ぶことができた。主要なコントローラ技術の進展によって、規模の経済が実現し、自動車環境への適用も進んできた。Western Digitalは、場合によっては自動車向けのフラッシュメモリを提供することもあるが、一部のサブシステムは、汎用フラッシュメモリに対してそこまでは求めていない」と述べている。

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