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Western Digital、「iNAND」の車向け展開を加速車でのデータ扱い量増える中で(3/3 ページ)

» 2017年05月22日 11時30分 公開
[Gary HilsonEE Times Japan]
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NOR、SRAMなどのメモリとともに

 Bergey氏は、「現代の自動車が複数のサブシステムで構成されることを考えると、NOR型フラッシュメモリやSRAMなどの複数のメモリ技術が搭載されるようになると予想される。ただし、あらゆる電子機器を自動車に搭載するとなれば、ビット単価を抑えながら多くのストレージを確保する必要がある。NANDフラッシュは、低コストでシステムレベルの信頼性を提供できる最適解だ」と述べている。

 米国の市場調査会社であるTECHnalysis Researchでプレジデント兼主席アナリストを務めるBob O'Donnell氏は、「フラッシュメモリの容量と信頼性は、突如、急増している自動車のアプリケーション要件、自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100 Grade2」および「AEC-Q100 Grade3」で規定された温度範囲、不揮発性メモリベースの製品のISO26262設計ガイドラインの全てに対応できる。自動車は10〜15年使用されるため、長期間データを保存できるという非常に厳しい基準を満たさなければならない」と述べている。

 O' Donnell氏は、EE Timesとの電話インタビューで、「コネクテッドカー、特に自動運転車がどれくらいの量のデータを分類、処理するかを過小に見積もってはいけない。自動運転車は、1日当たり4テラバイトのデータを生成する。高解像度マップやセンサーデータへの対応もさらに求められるようになる。今はまだ、それほど膨大なメモリは必要とされていないが、今後ますます多くのメモリーが必要になる」と指摘した。

「フラッシュメモリは、猛烈な勢いで成長している」

 自動車メーカーは、数シーズン先の製品の開発に備えて、大容量ソリューションについて検討し始めなければならない時期に入っている。

 O' Donnell氏は、「自動車向けNANDフラッシュは、スマートフォンの場合と同じように採用および拡張されると予想される。ただし、最新スマートフォンの最大容量256Gバイトであるのに対し、自動車のストレージの需要はそれを上回っている。ローカルストレージの需要は、今後も増え続けると予想される」と述べている。同氏はまた、「コネクテッドホームも、Western DigitalのiNANDのようなフラッシュメモリ製品の成長セグメントとして期待される。ただし、容量の点では自動車と対極にある。Amazonのアシスタント端末『Amazon Echo』のような人気商品は、主にシンクライアントだ」と指摘している。形態の違いはあれ、「フラッシュメモリは、猛烈な勢いで成長している」(同氏)

【翻訳:田中留美、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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