ソシオネクストは、360度全天球カメラ装置向けに、イメージシグナルプロセッサ「Milbeaut」シリーズを用いた2種類のソリューションを用意し、供給を始めた。
ソシオネクストは2017年7月、360度全天球カメラ装置向けに、イメージシグナルプロセッサ「Milbeaut」シリーズを用いた2種類のソリューションを用意し、供給を始めたと発表した。これにはレファレンスボードの情報やソフトウェア開発キット(SDK)などが含まれており、システム開発を比較的容易に行うことができる。
1つは、膨大なデータを高速に処理する必要があるプロシューマーカメラ装置向けで、4K画像のリアルタイムスイッチングが可能なプロセッサ「SC2000」をベースとしている。独自のアルゴリズムを採用していて、代表的な動作環境では消費電力を2W以下に抑えることができるという。
カメラモジュールは最大4台まで接続することができ、それぞれの動画をつなぎ合わせて合成するステッチング処理をリアルタイムで実行する。最大30フレーム/秒(fps)の4K出力に対応している。この全天球カメラ装置は、ハイエンドのアクションカメラやドローン、ビデオ会議システム、劇場、スポーツ観戦などの用途に向ける。
もう1つは、2台のカメラ映像を同時に処理することができるIoT(モノのインターネット)カメラ装置向けプロセッサ「MBG967」をベースとしたソリューションである。VR(仮想現実)映像のストリーミングなど、360度映像をモバイル環境でリアルタイムに撮影するためのアタッチメントカメラ装置などの用途に向ける。
このソリューションは、Cypress SemiconductorやImmerVisionとの協業により実現した。USB 3.0とUSB 2.0に準拠しているCypress製ブリッジチップ「EZ-USB CX3」を用いれば、高解像度で高速にイメージキャプチャーが可能となる。また、ImmerVisionが特許を所有するパノモーフレンズ光学技術とソフトウェアを用いることにより、小型カメラでも高画質の撮影が可能な全天球カメラ装置を実現することができるという。
同社が用意したレファレンスデザインボードには、16Mピクセルのカメラ2台も実装されている。基板の外形寸法は8×8cm。今後は、さまざまな解像度やフレームレートの要求に対応する製品群を用意していく予定だ。
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