こうしたプラットフォームを提供するための協業の1つとして、Qualcommは、中国・北京を本拠地とするThundersoft(サンダーソフト)と協業している。サンダーソフトは2008年に設立され、IoT機器などのプラットフォーム開発を手掛けるメーカーだ。3000人の技術者を抱え、世界に15カ所の拠点を構えている。
サンダーソフトは、Qualcommと2009年ごろから協業関係を築いている。2016年2月には共同出資会社Thundercomm(サンダーコム)を設立し、ドローンやVR、AR(拡張現実)用デバイスをはじめ、IoT機器の開発に向けたプラットフォームを手掛けるようになった。
そうしたプラットフォームの1つが「TurboX SOM(ターボエックス ソム)」だ。Snapdragonとミドルウェア、アルゴリズム、SDK(ソフトウェア開発キット)をパッケージ化したターンキー製品である。
サンダーソフトの日本法人であるサンダーソフトジャパンの社長を務める今井正徳氏は、「スマートフォンメーカーとは異なる、多くの家電メーカーや機器メーカーがIoT機器を開発する場合、今までの製品とは違う複雑さが求められることになる。CPUやGPU、DSPといったシステムアーキテクチャをどう組み合わせればいいのか、メモリやカメラといった周辺デバイスをどう接続すればいいのか、OSや通信方式の選択、熱対策や低消費電力化はどうすればいいのかなど、さまざまな課題がある。こうした課題は、IoT業界として取り組み、解決していく必要がある」と説明した。
今井氏は、サンダーソフトの強みとして、IoT機器開発において評価から試作開発、量産立ち上げまでを一貫してサポートできる点を挙げる。「試作ボードを作った後、量産を立ち上げようとすると、例えばどのサプライチェーンに部品を発注すべきか、市場に製品を投入した後のアフターサービスはどうすればいいのかなど、手間がかかるところが増えてくる。弊社は、開発の段階はもちろん、量産時における品質などもサポートできる」(同氏)
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