太陽光で発電した電気を、電気自動車(EV)や家庭で有効に活用するための新しいエコシステム「トライブリッド蓄電システム」について、ニチコンはコンセプト提案を行った。
ニチコンは、「CEATEC JAPAN 2017」(2017年10月3〜6日、幕張メッセ)において、「トライブリッド蓄電システム」のコンセプト提案を行った。太陽光で発電した電気を、電気自動車(EV)や家庭で有効に活用するための新しいエコシステムである。
トライブリッド蓄電システムは、太陽光で発電した電気の自家消費を視野に入れている。システムの中核となるトライブリッドパワコンには、太陽電池と家庭内に設置された蓄電池ユニット、EVおよびプラグインハイブリッド車(PHV)に搭載された大容量電池モジュールと3つの電池がDC(直流)でつながる。これらを効率よく連携させることによって、さまざまな利用シーンに活用することを目指している。このシステムは2018年4月に導入予定だという。
トライブリッド蓄電システムを利用すると、昼間に太陽光で発電した電気を家庭内の蓄電池ユニットに充電しておき、夜間や非常時に家庭内で消費することができる。特に、蓄電池に蓄えた電気をEVやPHVへ電力移動することを可能とした。これまでは、昼間にEV、PHVを利用すると、充電に太陽光を利用できなかった。新たに開発したシステムを利用すると、太陽光で発電した電気を蓄電池に蓄え、その電気でEV/PHVを夜間に充電することができる。
もちろん、EV/PHVを新規購入した場合でもV2H(Vehicle to Home)スタンドを追加で設置すれば、太陽光で発電した電気をEV/PHVに直接充電することもできるという。また、太陽光パネルや蓄電池の増設も容易に行える。一般的に家庭用蓄電池モジュールは容量が4kWhだが、「8kWhに増設すれば、ほぼ1日分の電気をバックアップできる」(説明員)と話す。
なお、トライブリッド蓄電システムは、「CEATEC AWARD 2017」において、「コミュニティ・イノベーション部門」で準グランプリを獲得した。
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