ソシオネクストは2017年10月3〜6日の会期で開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2017」で、デジタルサイネージ向けに8K対応デコードLSIの応用提案を行っている。
8K市場を少しでも拡大したい――。
2017年10月3〜6日の会期で開催されている「CEATEC JAPAN 2017」のソシオネクストブースに8K対応のメディアプレーヤーが出品された。このメディアプレーヤーは、システムLSIメーカーであるソシオネクストが開発し、販売するという。
ソシオネクストは、2016年からHEVC符号化方式に対応した8K映像を1チップでデコードできるLSI「SCH801A」を量産している。8K対応の放送は、既に衛星放送による試験放送が始まり、本放送も2018年開始が予定される中、ソシオネクストでは、テレビメーカーなどと8K放送対応テレビに向けた8K対応デコードLSIの商談、開発を進めているという。しかし、「現状、8Kの市場規模は小さい。少しでも8Kの市場を拡大させるために放送以外の用途拡大が必要」(同社)とする。
そこで、開発したのが、8K対応メディアプレーヤーだ。「最終消費者に販売するわけではなく、あくまでデジタルサイネージ用途向けに特化した製品で、システムインテグレーターなどに販売する」という。また、8Kの普及拡大を図るため「現実的なスペックにしている点も特長」という。
メディアプレーヤーのビデオ出力は、4K対応のHDMI 2.0を4チャンネル搭載するだけで、PCI Expressなどを備えていない。「8K対応ディスプレイはまだまだ高価。8Kコンテンツを映し出すには、4K対応ディスプレイを4枚使用する構成が現実解であり、HDMI 2.0×4チャンネルで十分、事足りる」というわけだ。
CEATECの同社ブースでは、同メディアプレーヤーを使ったサイネージのデモを展示。4K対応ディスプレイを縦2枚×横2枚で並べる一般的な「8K×4K構成」の他、4枚の4Kディスプレイを横一列に並べ「16K×2K構成」のサイネージを披露。「画面の形にとらわれず、コンテンツを表示できる点を強調した」とする。
またSCH801Aでも対応する22.2チャンネルオーディオデコード機能を使い、2個のスピーカーで仮想的に22.2チャンネルサラウンドを実現する立体音響技術も紹介。8K映像と22.2チャンネルサラウンドによるよりリッチなデジタルサイネージを提案した。
なお、ソシオネクストブースでは、GoProの最新カメラ「HERO06 Black」の展示を実施。同カメラには、ソシオネクストのイメージシグナルプロセッサ技術「Milbeaut(ミル ビュー)テクノロジー」をベースに開発したLSIが搭載される。
前世代モデルの「HERO05 Black」では、30フレーム/秒の4K動画対応だったが、HERO06 BlackはMilbeautベースLSIの画像処理性能を生かし、60フレーム/秒の4K動画対応を実現し「消費電力は、前世代モデル並み」を達成。また、「MilbeautベースLSIで実現している電子式手ブレ補正機能もGoProから高く評価されている」という。
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