Analog Devices(ADI)は、「マイクロウェーブ展 2017」において、RFシステム全体をカバーする多様なRF製品群をベースに、パートナー企業との連携によるシステムソリューションを具体的な形でデモ展示した。
Analog Devices(アナログ・デバイセズ、以下ADI)は、「マイクロウェーブ展 2017」(2017年11月29日〜12月1日、パシフィコ横浜)において、「DC〜100GHz超」に対応する広帯域RF製品群をベースに、パートナー企業との連携によるシステムソリューションを提案した。
ADIは、ワイヤレスシステムの開発を効率よく行うための開発エコシステム「RadioVerse」を用意している。RadioVerseによる「SDR(ソフトウェア無線)デザインプラットフォーム」では、ADI製RFトランシーバーIC「AD9371」などの他、ソフトウェアAPIや設計サポートパッケージなどが提供される。
ブースでは、SDRデザインプラットフォームの開発事例として、工場内における2.4GHz/5GHz帯広帯域無線通信の用途を想定したソリューションを提案した。HD動画も干渉波を回避しながら、高速に伝送することが可能である。この中には、パートナー企業のマリモ電子工業が開発したアルゴリズムが実装されているという。
ギガファームは「60GHzミリ波広帯域データ転送プラットフォーム」のデモを行った。高速で低遅延の通信プラットフォームは、ADI製のトランスミッタIC「HMC6300」やレシーバーIC「HMC6301」などを実装したトランシーバーモジュールなどを搭載している。最大256QAMに対応するため、効率的に大量のデータを転送することができるという。
特に、一般的なホーンアンテナとは別に、超小型アンテナも用意した。従来に比べて通信距離は短くなるものの、複数の受信機に対してデータ転送が可能になる。ブースでは製造現場などでの応用を想定した通信のデモなどを行った。
ブース中央部では、サクラテック製の24GHz MIMOレーダープラットフォーム「miRadar 8」モジュール4台とWebカメラなどを組み合わせ、全周(360度)方位で人物などの目標物を検出し、その結果を表示するデモを行った。
miRadar 8には、A-DコンバーターなどADI製レーダーチップセットや、低消費電力のFPGAなどが搭載されている。Tx(送信)2素子、Rx(受信)4素子のMIMOアンテナと組み合わせ、信号処理を行うことで8素子相当の方位検出精度を得ることができるという。MIMOアンテナを含むモジュールの外形寸法も104×76mmと小さい。
「バックモニターなど車載用途の他、ドローンやセキュリティ関連での目標物体検知、心拍検知などのセンシング用途にも提案していきたい」(説明員)と話す。
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